任天堂「マリカー訴訟」の時系列と審決文について


<なにがどうなってる時系列>

 先日、読売新聞が以下のような3月8日付の記事を掲載。物議をかもしている。

「マリカー」商標止められず、任天堂の異議却下 (読売新聞)

 何が物議ってこれ、1月の話なのだ。任天堂がマリカーを訴える前の話である。ネットの反応なんか見てると「任天堂が裁判で負けた」と勘違いしているひともいるようなので、時系列をまとめてみよう。


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 ※ちなみに任天堂は2016年12月21日に、マリオの帽子(商願2016-143131)、ルイージの帽子(商願2016-143132)をそれぞれ立体商標として出願していた。


 ざっとこんな感じである。

 つまり、何度も言うようだが、今回、棄却されたことが判明した特許庁の「マリカー」商標登録にたいする異議と、2月に任天堂がマリカー社をうったえた裁判はまったく別の案件であることを今一度、強調しておく。

marika-soshou02.png

 なぜ、今さらになって各メディアがもう済んだはずの案件を報道をしたの不明だが、まぎらわしいことだけは確かである。



<ネットの反応>

 さて、業界が静観する中、ゲームファンの中で「なぜ棄却されたのか」という議論が少なからず起こっていたので、それぞれの意見をまとめてみよう。

<疑問派>
・マリカーといえば「マリオカート」以外考えられない
・マリカーという略称は年代によっては浸透している
・マリカーでgoogle検索してみればわかる

<妥当派>
・マリカーなどという略称を聞いたことがない
・連想する言葉をすべて独占できるほうが弊害が大きい
・そもそも一般的かどうかなど明確に判断できるものではない
・任天堂が先に「マリカー」を登録しておくべきだった案件

<その他>
・セガサターンの「マリカ」は大丈夫でしょうか?
マリカ~真実の世界~

 ※その他はジョークである

 ゲームファンの心情的には釈然としないものがあるだろうが、客観的に見て「棄却は妥当」とする意見のほうが多いようだ。それより重大なのは任天堂がニュースリリースで示したようにマリカー社の「不正競争行為および著作権の侵害」なのであろう。

 これからの経過を見守りたい。



<審決文を読み込む>

 さて、ここからは個人的に興味深かかった特許庁の審決文について。特許庁は任天堂の訴えを却下し「マリカーは「マリオカート」の略称として広く認識されていない」という判断を下したわけだが、当然、審決文にはその理由が記載されていた。要約してみよう。

・特許情報プラットフォーム「異議2016-900309」(直リンではありません)

 まず、異議を訴えるからには任天堂がそれなりの根拠を示す必要があるわけだが、それが以下である。

・申立人(任天堂)は明治創業のゲーム会社
・マリオカートシリーズは全世界で何千万本と売っている
・マリオカートの商標は24年も使ってる
 以上の理由により「マリオカート」という商標は広く認識されている

・ゲームは「ポケモン」、「ドラクエ」、「モンハン」、「パズドラ」、「スマブラ」等、略されるのが普通
・マリオカートも当然、「マリカー」と略されている
 以上の理由から「マリオカート」と「マリカー」は同一といってもいい

・マリオカートは高い周知度を持っている
・マリオカートという言葉自体も申立人(任天堂)の造語
・関連商品やコラボ商品も多数ある(商標を持ってるだけじゃない)
・そもそも「レーシングゲーム」と「レンタルカート」は一定の関連性が認められる
 以上の理由から申立人(任天堂)の関連サービスだと誤認される恐れがある



 なるほどね……

 つづいて当審の判断を見てみよう。なんか飽きて来たので、ちょっと砕けた感じにしてみる(笑)

 たしかに任天堂は世界的企業でマリオカートもものすごい売れてるらしいじゃん。Wikipediaで「マリカー」調べてみたけど、マリオカートって載ってるわ。「ジャスミンティーなどに使われる花」ってのもあったけどね。ググってみたけどいろいろ出て来たよ↓

「マリカーで3位なのに2位に赤甲羅ぶつけるアホ」「ぶっちゃけマリカーとスマブラだけでWiiU買う価値有るよな」「・・・ゲームランキング二大巨頭(大抵マリカー世代とスマブラ世代に分かれる)」

 あと電撃系、ニンドリとかゲーム雑誌にもマリカーって文字あったよ。でもコラボ商品もいっぱいあるって言ってたけど、タカラトミーとかベンツとコラボったときに「マリカー」なんて言ってないじゃん。
 
 まあ、いろいろ調べたけどさ、「マリカー」って言葉は個人ブログとか、せいぜい雑誌に出てくるくらいで正直言って、その周知度がわかるほどの証拠にはならないね。もちろん「マリオカート」は有名だけど、「マリカー」がその略称ってのはいまいちかな。したがってマリカーが不正目的で出願されたという判断はできないね。


 
 以上でーす。
 っていうか、特許庁もWikipediaを参考にするんだなあ。我がブログですら参考にしてないのに!(笑)
[ 2017/03/09 13:53 ] 任天堂 | コメント(4)
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任天堂株価が短期間で大変動してる件


 任天堂の株価がここにきて上昇傾向だ。

 そこで、ひとまず「ポケモンGO」から「ニンテンドークラシックミニ」までの期間(2016年7月から11月まで)の動きをおさらいしてみたい。

nintendokabuka6.jpg


 さっそく図をつくったので、主な出来事を解説していきます。



<ポケモンGO配信>

 長い間※1、低空飛行だった任天堂の株価復活はここから始まった。「ポケモンGO」がアメリカ他で先行配信されたのは2016年7月6日。たちまち社会現象を巻き起こし株価が大爆発。一気に3万円台を突破したことは記憶に新しい。
 こちらの記事「歴代ハード・主要ソフトから見た任天堂株価の30年史(2011年7月掲載)」で僕は任天堂株価の周期性とポケモン効果についてアツく語っていたわけだけど、本当にビックリしたよ。

 ※1……2012年初頭ごろから約5年間くらい



<任天堂 異例の声明>

 予想が的中して調子に乗った僕は「こんな記事」を書いた。しかし……
 ポケモンGOが日本でも配信された7月22日。任天堂は「うちはポケモンGOでは儲かりまへん!」という異例の声明※2を発表。案の定、株価が暴落してしまったのだった。いったいそこにはどんな狙いがあったのだろうか。

 ※2……『Pokémon GO』の配信による当社の連結業績予想への影響について(任天堂)
 


<スーパーマリオラン発表>

 なんとか踏ん張っていた株価だが、ふたたび低空飛行に戻ってしまうのだろうか。そんな重い空気の中、任天堂がiPhone用アプリを配信することを発表したのが9月8日。その名も「スーパーマリオラン」だった。
 ついにマリオがアップルに殴り込み(屈したという見方もある)ということで、このニュースは予想以上の反響※3を呼び、株価を20%も引き上げる結果となった。

 ※3……当ブログの観測範囲では、日本よりも海外のほうが熱狂的に歓迎している感じ。



<Switch発表>

 10月20日、満を持して発表されたのが任天堂の新ハード。NX改め「Nintendo Switch」だ。しかしそのタイミングで株価が急落。大手ニュースメディアはこぞって「投資家たちがSwitchに失望」と報じた。その主な理由は目新しさが感じられないこと。
 しかし、世界中が注目する中(100%の支持はムリにしても)、無難な感じだと「つまらん」って言われるし、攻めた感じだと「なんだこれ」って言われる。そんなこと何度も経験してきた任天堂さんの新ハードだ。個人的には期待せざるを得ない。





<ニンテンドークラシックミニ発売>

 そんな株価をふたたび上昇に転じさせたのは、11月10日に発売された「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」である。いや、もっと正確に言うとこいつの「発売」だ。というのも、ニンテンドークラシックミニが「発表」された時点(9月30日)では、まったく期待されておらず、株価はむしろ下がり続けていたのだ。
 しかし発売されるや否や、完売続出の大ヒット。この結果をいったい誰が予想していただろうか。まさにゲーム界のトランプショック※4とはこのことである。

 ※4……ただ、トランプショック言いたかっただけです(笑)


nintendokabuka6.jpg


<まとめ>

 改めて見てみると……
 なに、このジェットコースター。
 たった5か月でいろんなことあり過ぎだろ!

 ひとつだけ確実なことが言えるとしたら「まったく先が読めない」ということだ(結局は)。ひきつづき任天堂さんの動向に注目である。

 参照サイト:Google Finance
[ 2016/11/21 13:24 ] 任天堂 | コメント(0)
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貴重な任天堂トランプのサンプル冊子がオークションに登場!!


 任天堂トランプのサンプル冊子がオークションで高値で落札されていた。

 このサンプル冊子、よく見ると写真ではなく、本物のカードが1枚ずつ貼られているタイプのようだ。壁紙のサンプルとか、こういう風だよね。

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 ご覧のとおり、他のものと合わせての出品なので、この落札値が高いのか妥当なのかわかりませんが、この冊子を眺めてるだけでも、きっと楽しい気分になれるんでしょうね!
[ 2016/11/01 13:22 ] 任天堂 | コメント(0)
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初心会とは何だったのか!? とりあえずアジオカの業務用カタログを見てみよっと!!


<任天堂の流通改革、始まる>

 任天堂が8月25日に国内最大のゲーム卸会社ジェスネットを子会社化すると発表したそうな。さらにゲーム卸大手のアジオカのゲーム卸事業をジェスネットに譲渡するんだとか。

任天堂が決断した「過去のしがらみ」との断絶(東洋経済)

 なぜ先月のニュースを取り上げたかというと、アジオカっていうワードを聞いたら、これを出さずに居られなかったわけです。今出さないと永久に出すことないよね、これ(笑)

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 株式会社アジオカの業務用カタログです。なんだかよくわからないうちにコレクション棚に並んでおりました。中身が気になるところですが、ひとまず話を進めましょう。

 ジェスネットとアジオカ……

 この2社はとある組織の中心メンバーとして長い間、任天堂を支え続けてきたんだそうです。そう、その名は初心会!

 

<そもそも初心会とは何だったのか>

 1973年発足。任天堂の一次問屋で結成された団体である。ゲームの歴史の中で決して表舞台に出なかった謎の組織だとか、秘密結社だとか色んなイメージで語られてきた同団体であるが、その前進は、任天堂の主力商品がまだ花札やトランプだった頃に結成された玩具流通会社の団体「ダイヤ会」だった。

 1997年には解散しており、ほぼ同じメンバーで「新・初心会」が結成されています。


 任天堂 → メーカー → 初心会 → 二次問屋 → 小売店



 かつて初心会は上図のように任天堂商品のほぼ全部(95%)を取り扱っており、ファミコンブーム時代はとんでもなく潤ったことは想像に難くない。したがって、初心会の意向は二次問屋のみならず、ゲームメーカーにまで及んだと言われているのだ。

 以下、記事より引用。

 初心会では在庫を全量買い取ることが定められており、任天堂は在庫リスクをなくして健全なキャッシュフロー経営を築くことができた。



 なるほど。ガッチガチの仲だったわけだ。
 記事ではとあるゲームメーカー関係者の談として以下のような証言も。

 任天堂タイトルの発売時期が優先されるので、自社タイトルの発売日をコントロールできなかった



 いったいこれはどういうことか……



<スーファミのカセットがとても高かった理由>

 ここらへんの話はプレステを生みだしたチーム久多良木の対任天堂戦争15年史をつづった「美学vs実利」に詳しい。

 同書によると、任天堂は「ROMカートリッジの特徴が生かせる組織として初心会をつくった」とされている。ROMカートリッジはその性質上、どうしても生産に時間がかかるため、初回の莫大な資金をかけて大量のゲームソフトを生産しなければならなかった。そこで任天堂はゲームメーカーのリスクを軽減するため、初心会が初回分を大口で買い上げ、そこから小口で問屋に流れるという仕組みをつくったのである。

 ただし、初心会はゲームソフトを需要通りには出さず、たとえば人気ソフトの場合、出し渋って卸値を吊り上げたり、不人気ソフトと抱き合わせしたりということもあったということだ。

美学vs.実利 「チーム久夛良木」対任天堂の総力戦15年史 (講談社BIZ)
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 さらに、不人気なゲームソフトには、メーカー側が問屋側から在庫リスクに対する「危険費」という名目で、1本あたり数百円求められるケースもあったらしい。

 記事にある業界関係者の証言はまさにそのことを言ってるのだろう。

在庫リスクを価格に反映させるのでソフト1本1万円と高止まりしていた



 おかげで当時、スーファミのカセットを生産するのに最低でも1本4000円はかかったという。そこに開発費や広告費などを乗せると1万円以上になるのも仕方なかったのである。まあ、この本はソニー側の視点から見てる資料だから多少盛ってるかもしれませんが、だいたい合ってると思うよ。しかし、そんなとき、彗星のごとく現れたのがプレステでした。

 よくプレステの成功のカギは流通革命だったと言われているけど、まあその辺の話はいいや(笑)

 とにかく、そんな初心会の影響力が、ゲーム流通業界には、いまだに残っていたらしいですよ。任天堂もようやく重い腰を上げたといったところでしょうか……



<気になるカタログの内容は>

 さて、私オロチは、そんな「初心会」の主力メンバーだったというアジオカの業務用カタログを手に入れていました。今回はその中身を見てみようってエントリーです。結局は(笑)

 こちら↓

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 梱入数っていうのは、段ボールに入っていた数でしょうか。たぶん、この単位でしか売ってくれなかったんでしょうね。


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 マリオの絵が良い味出してるなあ。PCエンジンGTの横に写ってるソフトは何だろう……


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 トランプ・花札のページはやけに写真が充実してました。さすが初心会の原点って感じです。しかもこのページに描かれているマリオはガンマンの格好をしてますね。公式絵では何気にレアです(笑)


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 任天堂以外のゲームメーカーの名前は期待していなかったのですが、なんと「エニックス」のページを発見。主にスライムグッズなどの小物でした。


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 他に手品用品とかジグソーパズルとかありましたが、ゲームとは無関係だったのでパス。ばーっと飛ばして、背表紙に大きなスーパーファミコンの写真で終わりでした。


 少し駆け足ではありましたが、いかがだったでしょうか。

 このカタログが発行されたのが1993年。翌年の暮れにはプレステが登場しています。なんだか、嵐の前の静けさのような、当時の雰囲気を充分、感じられる資料でしたね! 



週刊東洋経済 2016年9/3号 [雑誌](不滅のリーダー 松下幸之助)
<深層リポート>
ポケモンGOブームでも やがて寂しき任天堂
絶好調ソニー PS4独り勝ちの真相 西田宗千佳

東洋経済新報社 (2016-08-29)

[ 2016/09/14 21:55 ] 任天堂 | コメント(0)
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パティシエの嫁に任天堂本社ケーキをつくってもらいました


 ゴールデンウィーク期間中、ツイッターでは#お宝ゲームグッズ発表会なるものが開催されています。(今日が最終日の模様)
 
 皆さん自慢のお宝ゲームグッズが、本当に多く投稿されており、大盛り上がりを見せています。僕も参加しない手はないなと思って、ちょっと変化球だったかもしれませんが、この前、パティシエの嫁がつくってくれた任天堂本社ケーキを出品させて頂きました!

 こちら↓


 そしたら思いのほか、色んな反響いただきまして、本当にありがとうございます。

 けっこう大きくて、20㎝四方くらいあったでしょうか。中身はフルーツとか挟まった4段くらいの層になってました。苦労した点は、なかなかいい窓の色が出なかったことだったそうです。(あと上の部分をどう飾るかで悩んでた)

 しかし作ってもらった当初は、どこかへ発表するとか何も考えてなかったので、まともな写真がありません(泣)

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 いちおう別角度で、上から見た感じ。


nintenkeki02.jpg

 こちらは正面なんですが、窓のところに次男が「これなに」とか言いながら指を突っ込んだため、凹んでおります(笑)
 ちなみに生ケーキなので、食べても普通に美味しいです。

 またつくってもらおうかな……



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[ 2016/05/08 19:37 ] 任天堂 | コメント(0)
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