友人がPCエンジンの『ダンジョンエクスプローラー』をやるためだけに遊びに来たときの話


 先日、友人A、Bがうちへ遊びに来ました。

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 友人Aは会うたびに「ダンジョンエクスプローラーがやりたい」「ダンジョンエクスプローラーを見かけたら買っておいてくれ」と言っていました。なんでも、子どもの頃、毎日のようにやっていたという。すると先日、大須のMEIKOYAで見かけたのでゲットしておいたのでした。

 同ソフトは1989年3月4日に発売された見下ろし型アクションゲーム。その最大の特徴は5人同時でプレイできるという点であろう。

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 さっそく友人A、B、僕と3人でプレイしてみることに。プレイヤーキャラクターを選ぶと、ゲームは城下町のようなところから始まります。お城で王様から話を聞くと、本格的に始まるようです。時間にして3分~5分くらいでしょうか。「このくだり、毎回やらないといけないのか」聞くと、友人Aは「そうだ」と当たり前のように答えました。ただしパスワードが発行されるので、あとは続きからプレイできるとのことです。
 
 いよいよダンジョンへ向かいます。階段を降りるとき、なぜかグルグル回転するというレトロゲームならではの演出には愛しさすら感じます。

 主人公の職業は何種類から選べて、それぞれ使えるアイテムが違うそうです。このあたりの詳細や、操作方法などは、説明書がないとまったくわかりません。いい意味でこの「俺を理解してみろ」と言わんばかりのスタンス。古き良きって感じでステキです。
 武器は基本的に飛び道具なんですが、ななめに出せないので独特の間合いを取る必要があります。これをゲーム性と見るか。クソ要素と見るか。このゲームにおける大きな分岐点のひとつですね。

 友人Aいわく『ダンジョンエクスプローラー』を5人でプレイすることが夢だったと熱く語っていました。今となっては、まあまあハードルの高い夢だと思います。PCエンジン本体とソフト、マルチタップとコントローラ5個は正直、ちょっと頑張れば手に入ります。幸い、うちにも環境は整ってました。しかし最大のネックはプレイヤー集めですよね。
 アラフォー近い、いい大人が5人も集まってPCエンジン囲めるかというと、ちょっと想像できません(笑) 別に同じ世代じゃなくてもいいのですが、できれば気持ちを共有したいでしょうからね……

 しかしずっとプレイしてると、彼が一番最初に死んでしまいました。コンティニューを使い切ると容赦なく復活できなくなります。次に僕も後を追うようにゲームオーバーになってしまいました。結局、一番何の思い入れがない友人Bが生き残ってしまい、彼はおもむろにこんなことを言いました。

「これ、やめていい?」

 まあ、そんなもんです(笑) 友人Aは、我が家に遊びに来ることが決まった、この数週間、きっとわくわくしていたでしょう。彼はこんなことも言ってました。そもそも彼が持っていた『ダンジョンエクスプローラー』は友だちから借りパクしてたもので、あるとき、母親に全部、捨てられてしまったので返せなくなってしまったという。しかし数十年前、そのお友だちに久しぶりに会ったとき「返して」と言われたので(そのとき何らかの形で償いはしたみたいですが)、ずっと返したいと思っていたということです。そして、いつでも返せるように常に持ち歩きたいと……

 したがって僕は『ダンジョンエクスプローラー』を見かけたら必ずゲットして友人Aに譲ろうと思っていたのです。しかしどうやら彼は、期待が大きすぎたのでしょう。久々のプレイは全員ゲームオーバーになった時点で、あっさり終了。2回目はありませんでした。

 結局、その日――
 一番盛り上がったのは『ボンバーマン』だったのです。


【海外の声】ボンバーマン、まさかの美少女化…新作『ボンバーガール』は“HENTAI”扱い?
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 ボンバーマンが美少女化するそうですね。なるほど、いろんなところがいろんな意味でボンバーだ……

 話を戻しましょう。『ダンジョンエクスプローラー』やりまくるぞと息巻いてた友人も、結局は『ボンバーマン』で盛り上がってました。最終的に友人A、B、僕、長男、次男という5人での対戦となり(ダンジョンエクスプローラーは5人でやらなかったのに)、アラフォー近いおじさんたちが小1の長男にボコボコにされるという、なんとも情けない姿を晒して(笑)、その日のPCエンジン祭りは幕を閉じたのです。

 名作は、時代を越える。そして世代を越える。

 ゲームがただひたすら量産され、ただひたすら消費されていく流れになって久しい昨今。もしかしたら最初からゲームなんて、そんな存在なのかもしれません。しかし将来、息子が結婚して子どもができたとして、息子はその子どもと今のゲームをいっしょに遊べるのかな。そんなことを思うと少しさみしいような気がするのは僕がレトロゲーマーだからでしょうか……

ダンジョンエクスプローラー 【PCエンジン】
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 まあ、そんな流れについていけないからこそ僕はいつまでもファミコンやってるわけで、自分でも何を今さら感は否めないんですが(笑)、改めてそう思ったので書き記しておきます。
 友人Aが『ダンジョンエクスプローラー』を無事に返せることを祈りつつ。

WiiU『マインクラフト』やってたらコントローラが謎の回転クルクル病!?


 正月に子どもがお年玉をもらった。
 何か好きなもの買ってもいいよって言ったら当然「ゲーム」ときた。ちなみにオロチ家が所有するWiiUソフトは『スーパーマリオメーカー』『タッチ!カービィ』『マインクラフト』『進め! キノピオ隊長』そしてたまに『カラオケ』。

タッチ! カービィ スーパーレインボーMINECRAFT: Wii U EDITION進め! キノピオ隊長

 しかし、さっそくゲーム屋さん行ったら愕然としちゃったんです。

 いくら僕がバリバリのレトロゲーマーだからと言って、WiiUが生産終了ってニュースくらいは知ってたけど、いや、それにしても買うソフトが無いんですよ。3DSに比べて圧倒的に選択肢が少なくないですか。今さら『スプラトゥーン』ってのも、だいぶ旬を逃してる気がするし、スマブラ、ポッ拳、マリカー、どれも子どもは興味を示さなかった。

 結局、迷いに迷った挙句、子どもが選んだのは『New スーパーマリオブラザーズ U』。まさか5年前のソフトを買うはめになるとは!

 30年前のソフト買ってる、お前が言うなって話ですよね(笑)
 そんなことは百も承知だけでもさ、5年前って一番、中途半端ですやん。レトロでもない、新作でもない。もちろん内容は面白いんだけどさ、なんかもっと他に無かったのかなあって。非常に惜しい気がするのは僕だけだろうか。それとも普通によくあること?

 バーチャルコンソールって選択肢もあったかと思いますが、僕はいまだにファミコンやってて、いつかはスーパーファミコンって思ってる。だからVCソフトも「いつか実機で」という夢がある。その夢を自ら摘みたくないんですよね。

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 さてここからが本題。
 去年のクリスマスに僕は「Wii U PRO コントローラ」の黒を白を買いました(正確に言うとサンタさんが)。1個5000円もしたんですよ。さっそく子どもと『マリオU』をプレイ。当然、おもしろいですよ。でもこれ、僕、長男、次男の3人でできると思ったら、できないんです。一人はサポートみたいなことしかできない。したがって、僕、妻、長男、次男の4人でプレイしたかったらコントローラをもう2個、買わなきゃいけない。合計2万円。どんだけターゲット層がセレブなんだよ!

 仕方ないので妻が「お母さんの」ということで、中古コントローラをもうひとつ買ってきた。まあ、これでも3人+サポート1人というプレイしかできないんだけど、なんだかんだ言って、やっぱり面白いんです(何回言うねん)。

 しかし、あいかわらず「立ち上げ→ゲーム」までの時間が長いよなあ。もうイライラする。内容うんぬん以前に、やりたくなくなっちゃう。何か設定したりとか色んなことする度に時間がかかる。子どもたちはよくこの意味不明な時間に耐えてるよ。ファミコンしか知らない人間にとっては、1秒でゲームできるようにしてくれないかなって思っちゃう。古いPCゲームなんかロードするのに30分くらいかかったけどさ。もうそんな時代じゃないじゃん!(お前が言うな(笑))

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 それにしても『マインクラフト』ですよ。(ここからが本当の本題)
 元々はPC向けのインディーズゲーム。つくったのは会社員。2016年には全世界の売上1億本突破。ものすごいゲームですよね。子どもがしょっちゅうYoutubeで動画見てるんですけど、本当にわけがわからん。そもそも僕はいわゆる3D酔いをしてしまうので、この手のゲームは30分くらいしかできないんです。これは僕にとって切実な問題。

 でもせっかくコントローラ買ったんだからって、子どもといっしょにプレイしたんですよ。もう、すぐに面白さがわかりましたね。素材集めて何かつくっていく系のゲームだったんです(そんなこと知ってるってか)。
 下の息子もいっしょにプレイしたんだけど、たった4才で、よくこれだけのシステム理解してやってるよなあって感心しました。いや、正直、理解してやってるのかどうかわかりませんが、楽しんでるのは確かなんですよ。まだ字も読めないはずなのにね。玩具屋さんとかにいくとフィギュアを欲しがる欲しがる。ちょっと高いんですよ。あれ。ぜんぜん手が出ませんね(笑)

 しかし数分後にハプニング発生。

 突然、僕のプレイヤーがその場でクルクル回転し始めたんです。狂ったように。そのまま制御不能になってしまいました。妻が買ってきた中古コントローラだったので、アナログスティックが調子悪かったんだなって、こりゃ返品だなって思ってました。
 しかし後日、仕事中に妻から電話が。仕事中は滅多にかけてこない妻からの電話に心がざわめき立つ。いったい何事だ。電話を取ると「違うコントローラでも同じ症状が!」と妻の悲痛な声。やれやれ、雲行きが怪しくなってきやがった……

 ということはコントローラが原因じゃないのか。
 マインクラフト固有の症状? あるいはWiiU本体の設定の不具合?
 
 結局、ゲーム屋さんへ1度、相談に行くも原因はわからず、交換してくれるということでしたが「症状が常に出る」というわけではないので、現在、どうしようか悩んでるところです。自分で修理できないってところも、ファミコンと違うんだよなあ。

愛知県安城市のレトロゲーム屋さん「GAGA」へ行って来ました!


  ゲーム&ウオッチを思わせる魅力的な外観。

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 店内に入ると、まず飛び込んでくるのは「土足厳禁」の看板。といっても、玄関のようになっているわけではなく、下駄箱もない。店内はところせましと商品が積み上げられており、足の踏み場もない状態。その隙間にスリッパがいくつか並べられているだけだった。
 戸惑っていると、店員さんと目が合った。「いっらいしゃいませ」的なものや、「くつを脱いであがってください」的なものは特になかった。まあ、そんなことはよくあることだ。ふと横を見ると先客が一人いる。足元を見ると、あれ?

 土足であがってますやん!

 なんと先客の男性は、普通に土足で店内に入っていたのだ。え、この看板、見えてるの僕だけ? いや、そんなはずないよな。余計戸惑う。しかしこのまま突っ立っていても仕方ない。意を決してくつを脱ぎ、スリッパに足を突っ込んだ。結局1分くらい入口で止まっていただろうか。店入るだけでけっこう戸惑ってしまった(笑)

 店の中はそれほど広くない。20~30畳くらいだろうか。入口から左が本、右がゲーム、右の奥がカウンターとなっていた。

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 まず左の本コーナーへ。さすがレトロゲーム専門店の古本コーナーだ。ケイブンシャの大百科シリーズや、ファミコンの攻略本それなりに充実している。今ではものすごいプレミア本になっている「ファミ・コンプリート」も普通に本棚に突き刺さっていた。
 しかしほとんどの本の値札には「ASK」の文字が。つまり値段はヒ・ミ・ツ。欲しければ聞いてくれってことだ。

よみがえるケイブンシャの大百科[完結編]

 まあ、本は別に要らないので、いよいよゲームコーナーへ。

 ゲームボーイやスーパーファミコンのソフトがガラスケースにびっしりと詰め込まれている。本当にびっしりだ。そしてガラスケースの上には雑然と積まれたゲームグッズの数々。最近、米Amazonでチェックしていた「in1ゲーム機」が何種類かあった。

Pac-Man Mini Arcade Game
 ※たとえば、こういうの。「Pac-Man Mini Arcade Game」(米Amazon)

 カウンターの横のガラスケースは非売品コーナーだろうか。オールナイトニッポン版のスーパーマリオやソマリなんかが入っていた。見上げると、そうそうたるレトロゲームハードが箱入りで壁一面に飾られていた。

 ちらっと見えただけでもPCエンジンシャトル、バーチャルボーイ、SG-1000もあったかな。最近、バーチャルボーイが欲しくてオークションで何回か入札してるんだけど、なかなか落札できないでいた僕は思い切って「あそこのバーチャルボーイはいくらですか」って聞いてみた。すると「まだチェックしていない」って言われた。そうか。残念……

バーチャルボーイ (本体) 【バーチャルボーイ】

 いったん、カウンター付近を離れて奥の棚へ。そこはファミコン、PCエンジン、メガドライブコーナーだった。まさしくストライクゾーン!

 しかし雑然と荷物が置かれまくっている通路は人がひとり通るのがやっとの幅。ガラスケースの高さは1m。いったいどうやって見るんだろうか。四苦八苦した挙句、横向きに這いつくばって見るという手段しかないことに気付いた。こうなったら恥も外聞もない。先客は帰ったみたいだし、店内の客は自分しかいない。僕は床にひざと手を突き、必死になって横向きに這いつくばった。だから土足厳禁なのかな……

 ファミコンの値段ははっきり言って安くはない。とくに欲しいソフトもなく、僕は早々にファミコンコーナーを切り上げ、さらに奥のPCエンジン、メガドライブコーナーへ。ふたたび横向きに這いつくばる。
 僕が今一番欲しいPCエンジンのソフトは『スプラッターハウス』だ。あるかな。あるかな。ガラスケースは1度に全部見れないので、何度も態勢を変えながら、くまなく見る。屈むたびに体のふしぶしが痛い(笑)
 するとスプラッターハウスはなかったが、ずっと気になっていた『ジパング』完品を発見。しかも1500円だ。安い。即買いだ!

ZIPANG 【PCエンジン】


 独りニヤニヤしていると、ちょうど店員さんが心配そうに見に来ていたので「このガラスケースの中のものをお願いします」と言ったら、店員が妙なことを言う。

 「値段を調べますので、お待ちください」

 え、どういうこと。1500円じゃないの? すると店員さんは「黄色い値札が本当の値段です」と言った。よく見るとそれは白い値札だったのだ。まあ、中古品だし前の値段が残ってちゃってるのかなとカウンター付近で待機。しばらくパソコンをかたかたやっていた店員さんが「3000円です」と言った。すいません。やめます……

 ただでは帰れないので、さらに店内を目を皿のようにして見回る。ハドソンのジョイスティック箱入りを発見。値札が貼られてなかったので聞くと「まだチェックしてない」。うーん、またかあ。

 よく見ると店内のほとんどの商品は、値札が貼られてないか、貼られていても白い値札か。例の「ASK」だった。たまに見る黄色い値札は相場付近。なんとなく見えてきたぞ。つまりここは倉庫なのかもしれない説。おそらくネット販売でもしているのだろう。だからこんなに買いにくいのではあるまいか。(違ったらすみません)
 しかし在庫の種類でいえば県内ではトップクラスだと思う。他では売ってないようなグッズも多い。それをわかって行く分には面白い店なんだろう。ちょっとした宝探し気分が味わえますよ!

岐阜のレトロゲーム屋さん「おじゃま館」で遭遇したちょっとした話


 今回、岐阜県に熱いレトロゲームスポットがあるという情報を知って、発作的に行って来たのは「おじゃま館正木店」です。
 
 やたら情報が多いなあ。が外観の第一印象だ。買い取り価格が外壁を覆い尽くしていたのだ。ライオンのようなニコチャン大王のようなキャラクタはいい味だしている。

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 ※店舗の様子。

 店舗に入ると、ずっと探していたファミコンのレアコントローラが目に飛び込んできた。いきなりテンションMAXに(このコントローラについては後日、記事にする予定)
 なお、ファミコンソフトの箱説については思ったよりも無かった。(裸はいっぱいあったよ) どちらかというと周辺機器類が充実している印象。メガドライブは30~40本くらい。PCエンジンHuカードはそれより少なかった。

 ファミコンのレアコントローラと、50円で投げ売りされていたセガサターンのパチンココントローラと、PCエンジンの「ロードランナー」を購入。


 さて、どっちかというと話はこれからだ。
 20分ほど物色したあとレジへ向かうと、カウンターで店員のお兄さんと、お客のおじいさんが何やら不穏な雰囲気をかもし出していたのだ。

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 ※オロチ所有の「桃太郎伝説」。マル超シリーズ第3弾やで!

 おじいさんは、なぜかファミコンの「桃太郎伝説」をプレイしながら、ここがどうのこうの、道具があれこれと、何かを訴えかけているが、店員のお兄さんはひたすら困った様子だった。

 しばらくすると、おじいさんは店を出て行ってしまい、なぜか店員さんがプレイを続けるという謎の状態に。思わず「どうしたの」って聞くと、どうやらお客のおじいさん、「内容が違う」と訴えているらしい。だから、しばらくプレイを続けるよう言われたんだとか……

 なんじゃ、そりゃ(笑)

 もしや、おじいさん……
 「俺の知ってる桃太郎の話とぜんぜん違う!」って言いたかったのかな。

 そんなわけないか。よくよく聞いてみると、そのおじいさん、昔プレイしていたらしく、最近、またやり始めたら、どうも内容が記憶と違うってことらしい。ともかく、そんなおじいさんの訴えにも、真摯に対応し『桃太郎伝説』を困りながらプレイしている店員さんの姿に、なんだかほっこりしてしまったのでした。それだけの話である。


 そもそも、僕がオークションや通販よりも、店巡りにこだわるのは、第一に「発見の喜び」がある。あえて、なるべく予備知識を入れずに行くことが多いのはそのためだ。たとえば事前に電話で「ファミコンの箱付を何本くらい置いてますか」って聞くこともできるだろう。しかし僕はそんなこと知りたくないのだ。

 なぜなら、僕にとってその行為はあらかじめ映画館に映画の結末を聞いてから見に行くようなものだからである。

 そして、第二の理由は今回のような、ちょっとした出来事に出会えるから。こういうのって本当に、店舗ならではなんだよね。僕は店でゲームを買うという体験にお金を払ってるんだと思う。したがって、ガソリン代がもったいないとか、移動時間がもったいないとか、ぜんぜん思わないのだ。

 もう、こればっかりはそういう趣味だからとしか言いようがない。結局は、そういうの全部ひっくるめて楽しい。それだけの話である。

 さて次はどこへ行こうかな……

小学1年生の息子に「ボンバーマン」で負けました


 愛する息子へ――

 君が初めてファミコンをやったのは3才のときでしたね。まだ十字ボタンの意味がわからず、君のマリオは、ほぼその場でジャンプするだけだったことをよく憶えています。
 ちょうどその後日、高橋名人に会う機会があって、3才の息子にファミコンデビューさせたことを報告したら「まだ早いよ」って怒られたっけ(笑)

 お父さんは仕事でぜんぜん家におらず、お母さんもケーキ屋さんで忙しかったから、君は早くもiPadでyoutubeを見ることを憶えましたね。3才にして音声入力を自在にあやつっている姿を見たときは驚愕しました。

 ファミコンバカ親父は、たまに君と遊ぶときも決まってファミコン。「子どもと遊ぶ」という大義名分を盾に、結局はただ自分がファミコンをやってるだけだったけど、それでも君は横でキャッキャ言いながら笑ってましたね。

 その頃の君は絵に描いたような暴れん坊で、あたりを走り回ってはすれ違った友達を全員ラリアットでなぎ倒すような子どもでした。おかげでお母さんは野球部員でもないのに、常に滑り込みしてたって聞いています。(君を止めるため)


 そんな君も、アパートから引っ越したり、弟が生まれたり、保育園に入ったりして、だいぶ落ち着きましたね。お母さんが冗談で「ファミコンばっかりやってるお父さんは山に捨てる」って言ったら、「お父さんを山に捨てないで!」って泣きながら反対してくれたときは、心の優しい子に育ってくれたなあと思ったんだよ。

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 ※息子が保育園の年少さんのときに描いた絵

 あの頃はいっしょに色んなファミコンソフトをやりましたね。保育園で描いてくれたお父さんの似顔絵は今でも大切に取ってあります。君はスーパーマリオも好きだったけど、ロックマンも大好きでしたね。

 職場から、くたくたになりながら家に帰って来ると、いつも君は「ねえ、お父さん、ロックマンやって!」って言ってきましたね。正直言って『ロックマン』は真剣にやると仕事より疲れるんだよ。それでもお父さんはバカだから全力でプレイしちゃって「敵なんかいちいち倒すな」とか「アイスマンにはエレキ攻撃だ」とか、熱血指導してましたね。

 その昔、お父さんは、まだ結婚する前のお母さんといっしょに『テトリス』をやったとき、ついつい熱血指導しちゃってお母さんを泣かしちゃったことがあるんだよ。人ってそう簡単に変われないんだね。一方、そんな女の子女の子してたお母さんは、ずいぶん変わってしまったけどね!

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 年中さんになった君はいつの間にか、ひとりでもファミコンを遊べるようになって、毎日毎日『ロックマン』をやってましたね。仕事から帰るといつも「今日はどこどこまで行った」「今日はだれだれを倒した」って教えてくれてたっけ。たまに君のプレイを見ることもあったけど、ファミコンバカ親父はあいかわらず「そんなところでE缶を使うな!」とか言うばかりでしたね。

 ときどき君は親戚のうちに預けられていましたね。そのとき、いつもそこの年上のお兄ちゃんたちとwiiのマリオを遊んでいたけど、「ヘタクソ」とか「コノヤロウ」とかボロクソ言われながらも(小さい子はゲームやると口が悪くなるよね)、必死になってお兄ちゃんたちについていく君の姿を見て、たまに迎えに行っていたお父さんは苦々しく思いながらも、黙って見守っていたんだよ。

 そんなある日、君は友達のうちで「(息子)くんはファミコンしかできないから」って言われて『スーパーマリオメーカー』をやらせてもらえず泣いていたという話を聞きました。結果的に君は友達に一目置かれる存在になったのだけど、お父さんがファミコンバカ親父だったせいで、君を悲しませていたんだね。

スーパーマリオメーカー』をやらせてもらえなかった息子の話

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 その年のクリスマスに君は念願の『スーパーマリオメーカー』を手に入れて、飛びあがって喜んでましたね。サンタさんは清水の舞台から飛び降りたきり上がって来れないらしいけど(笑)、きっと後悔してないと思います。

 それから君は毎日のように机の下とか、ソファーと壁の間とか、せまい場所に潜り込んで『スーパーマリオメーカー』の世界を冒険していましたね(前世が猫なのかな)。小さいときにマスターした音声入力を駆使して、本当の意味で『スーパーマリオメーカー』を使いこなしていたときなんか、さすがのお父さんも赤面したよ。

本当の意味で『マリオメーカー』を使いこなしていた息子の話


 その頃、お父さんは君といっしょにファミコンを遊ぶ機会が減ってしまったけど、君はWiiUもファミコンも同じくらい遊んでくれていたらしいですね。

 そんなある日、ファミコンバカ親父が何を思ったか「PCエンジン買ったぞー!」ってハイテンションで帰ってきたときは、さぞかし驚いたでしょうね。なんたって今は2016年だから。でも、それから1か月もしないうちに100本くらいPCエンジンのソフトをかき集めてきて、さらにびっくりしたんじゃないでしょうか。何度も言うけど今は2016年なんだよ(笑)

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※ オロチのPCエンジンコレクション (詳細はこちら
 

 でも君はすぐにPCエンジンにもハマってくれて、友達を家に呼んでストII大会やボンバーマン大会をするようになりましたね。お父さんはレトロゲーマーの端くれとして、そんな君たちの姿を誇らしげに思ってるんだよ。

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※ ストII大会をする息子たち (詳細はこちら


 その頃から我が家はファミコン、PCエンジン、メガドライブ(実は前から持ってた)、WiiUの4ハード体勢になりましたね。君はマリオと同じくらいソニックも好きだけど、一番好きなソフトはなぜか『鮫!鮫!鮫!』でした(笑) 
 メガドライブといえばこんな事件(というほどでもないけど)もありましたね……

嫁にメガドライブ『大魔界村』をやらせてみた結果……


 月日が流れ、小学校にあがった君は今『マインクラフト』に夢中ですね。

 何回か、やり方教えてって言われたけど、お父さんにはちんぷんかんぷんで、何も教えてあげられませんでした。でも君はyoutubeで動画を探して、見よう見まねで、いつの間にかやり方を憶えてましたね。それって“勉強”って言うんだよ。学校の授業もゲームも同じなんだよ。好きなことだったら誰だって勉強してるんだ。

 お父さんはここ最近、仕事でめっきり疲れていて、君の「ねえ、お父さん、ファミコンやって!」の声に応えられないことを、本当は心苦しく思っています。やる気が起きないのは年のせいなのかな。お父さんは目の筋肉が老化したのか、外が眩しすぎてサングラスがないと車が運転できないようになっちゃいました。
 子どもの頃、いつもサングラスかけてるおっさんを、よく見かけたけど、あれは格好をつけてるんじゃなくて、わりと切実な理由だったんだって、やっと気付いたよ(笑)

 ――

 そして先日、君はずっと念願だった、お父さんと、お母さんと、弟くんと、4人で『ボンバーマン』を対戦することができましたね。でもね、4人で『ボンバーマン』をやるのはお父さんの子どもの頃からの夢でもあったんだよ。お父さんはファミコン買ってもらったのが遅かったからPCエンジンまで欲しいって言えなかったんだ。ファミコンの『ボンバーマン2』は最高でも3P対戦だったからね。

 君と『ボンバーマン』を対戦したのは2年ぶりくらいかな。ずいぶんやってなかったね。あのときはファミコン版で、お父さんと、お母さんと、君の3P対戦でした。当時、お父さんは一強で、はさみ討ち、閉じ込め、時間差攻撃、思いつく限りのあらゆる手段を尽くして無双していたのをよく憶えています(笑)

ボンバーマン93 【PCエンジン】


 でも今回は違いました。

 手を抜いていたせいかな!?
 仕方ない本気だすか……
 ……
 あれ、おかしいな……
 まあ、ブランクがあるからね。
 ……
 おいおい爆弾、蹴れるとか、卑怯だろ!
 ……
 ワープって意味不明なんですけどー!?
 なんだこの動く床は!
 ……
 こんなんだったっけ、PCエンジンのボンバーマン……


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 気づいたら君のボンバーマンは胴上げされてましたね。それからお父さんは何戦しても君に勝てませんでした。いったい君はどれだけ友達とボンバーマン大会を開いていたのかな。


 いつかこんな日が来るとは思っていましたけど……

 あまりに早すぎませんか?


 こういう日が来たとき親父はうれしいものだとよく言うけれど、正直に言っていいかな。お父さんは、これっぽっちもうれしくありませんでした。ただただ悔しくて、悔しくて仕方ありませんした。

 最後に泣きの3本勝負でなんとか勝ち越したお父さんは「このヘタレどもめ!」と全力で勝ち誇ってましたね。お母さんは呆れてたけど、そのとき弟くんが絶妙な間で「アホ」って言って、みんなで顔合わせて大笑いしたっけ。(親に向かってアホとは何だ!)


 でもね、アホになれるって、素敵なことなんだよ。

 大人になっても、好きなことに全力でアホになれる。とことんバカになれるってことは、人生に余裕があるってことなんだ。それは、ほんのちょっとの時間的余裕だったり、ほんのちょっとの金銭的余裕だったりするけれど、一番大切なのは心の余裕なんだと思います。
 逆に言うとさ、好きなことに全力でバカになれない人生のなんとつまらないことか!


 お父さんなんか誰よりもバカだったから、ファミコンサイトを20年もやってるんだよ。それは世間からしたら大したことないことかもしれないけど、お父さんはこのサイトを誇りに思ってるし、いつも遊びに来てくれるひとたちや、たまーに読んでくれてるひとたち、みんなの存在がすごく励みになっているんだよ。

 だから君にも見つけて欲しいんだ。何でもいいから思いっきりバカになれることを。お父さんはそのためならファミコンを全部捨ててもいいと思ってるよ。(ごめんウソついた)

 それじゃあ、また対戦しようね。今度は絶対に負けねえぞ!

 ファミコンバカ親父より。
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