「なぜロトの剣は安いのか問題」 8つの仮説 【ドラクエ考察シリーズ】


◆それなら2Gで買いましょう◆

 私には『ドラクエ』でどうしても納得できない疑問がある。それは、、、

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 なぜロトの剣は安いのか問題!

 『ドラゴンクエスト』に出てくる伝説の武器・防具といえば「ロトの剣」をはじめとするロトシリーズであるが、それらのアイテムは伝説と呼ばれているわりに市場価格があまりにも安いのである。

 たとえば『2』で必死こいてロトの剣をGETしたとしよう。売る気は更々ないものの自慢がてら道具屋へ見せに行いくと「ロトの剣ですね、それなら2Gで買いましょう」なんて、寝言みたいなこと抜かしやがるのだ。

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 ※実際の画面

 はあ? 自分、これ伝説の武器やで。
 はい。ロトの剣ですよね。ですから2Gで、、、
 話にならんわ、店長呼ばんかいワレホンマに~!

 なんてトラブルになってもおかしくない案件だろう。なぜロトの剣はこれほどまでに、商売人連中から不当とも思える低評価を付けられているのだろうか、、、



◆ロトシリーズの売価◆


 ※ジャケットに描かれている勇者の持つ武器・防具は、いずれの作品もロトシリーズではないように見える

 考察を始める前に、ロトシリーズについておさらいしておく。ドラクエの『1』,『2』,『3』はロト三部作と呼ばれており、ロトシリーズもロト三部作にしか出てこない(一部例外あり)。したがって今回の考察はファミコン版のロト三部作のみを対象とすることにしよう。

 それをふまえた上で、各作品におけるロトシリーズの売却価格を確認すると、、、

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 安っ!

 『2』のひのきの棒の売価が15Gであることを考えると、ロトの剣のみならずロトシリーズ全体が異常に安く見積もられていることを改めて痛感するのだ。



◆そもそもロトとは?◆

 『3』にはロトシリーズの武器・防具が出てこないため売価もないわけだが、その理由はロト三部作の時系列が『3』→『1』→『2』の順だからである。そもそも『3』の勇者がその功績を称えられ「まことの勇者はロトを名乗る」というアレフガルドの古い伝承になぞらえて、ときの王様から勇者ロトの称号を承ったという経緯があるのだ。

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 ※『3』エンディングより(イメージ画像)

 ラスボスを倒した『3』の勇者は人知れず姿を消してしまった。「そのとき彼が残していった武器・防具がのちの時代にロトシリーズとなった」というのが公式見解である。

 具体的にそれがどんな武器・防具だったのかについてはEDメッセージに具体名が語られていないため、諸説あるものの、2011年発行「ドラゴンクエスト冒険の歴史書」に以下のような思わせぶりな記述があった。

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III
「ロトの○○」という名前の装備品は登場しない。しかし、王者の剣、ひかりのよろい、ゆうしゃの盾は、とある理由で外見がロトの装備そっくり

 これ以上ない思わせぶりであるが、決定的なエビデンスとまでは言えないだろう。

 ひとつ、注意すべきは『3』の勇者=ロトではないという点だ。『3』の時点で勇者ロトは伝説上の人物だったので、それよりはるか以前に勇者ロトの発祥となったエピソードが存在したはずである。それを仮に『0』としよう。時系列にすると以下のようになる。

roto5.png

 なぜ『0』→『3』の間にロトシリーズが生まれなかったのかについては、初代ロトは素手だったとか、あるいは単純にどっか行っちゃったとか、そんなところだろう。その辺りは本題ではないので先へ進ませてもらう。



◆8つの仮説◆

 さて、お勉強の時間は終わりだ。背景もわかったし、いよいよ、ここからは様々な仮説について検証・ツッコミを入れて行くぞ!



1、偽物を疑った説

 まずはこれ。「なんでも鑑定団」なんか見ていると、本物だったら100万円、偽物だったら500円というようなシチュエーションによく出くわす。いつもその落差には驚いてしまうのだが、つまり道具屋は偽物を疑ったんじゃないかとするのがこの説である。今までさんざん偽物を売りに来たやつがいたんじゃないだろうか。しかしだとしたら「これは偽物ですね」ぐらいセリフがあってもいいと思うのだが、、、
 しかも、単純に金属のカタマリとして見た場合、その原価を考えたら2Gなんてことは無いだろう。もしかして武器・道具屋組合が偽物の買取を禁止しているのかもしれないが、その場合はキッパリと買取拒否するはずである。(本物なのに)


2、コンディションが悪かった説

 ファミコンカセットでも箱説が無かったり、汚れていたり、割れていたりしたら、その値段は大幅に下がる。この剣も、とんでもなく汚かったり、所々欠けてたり、折れてたりしたのではないだろうか、というのがこの説である。しかし、これも原価を考えたら、2Gなんてことは無いだろう。再利用できないほど朽ち果てていたのだとしたらそもそも武器として機能しないはずである。


3、呪われていた説

 ドラクエ世界には呪われている武器・防具がたくさん存在する。それらの呪いのグッズは武器・防具として恐ろしく秀でている代わりに、装備すると体が麻痺したり、王様から忌み嫌われたりというデメリットがあるのはご存知のとおり。それを踏まえて、実はロトシリーズも呪われていたのではないかというのがこの説だ。
 しかし呪いのグッズはむしろ高く売れることが多い(※)のだ。おそらくドラクエ世界には呪物蒐集が貴族や資産家の間で嗜(たしな)みのひとつとなっているのだろう。呪い専門の鑑定士が「いい呪いしてますねえ」とか何とか言って適当に高い値段をつけているんじゃないだろうか、大切になすってください、とか言って、、、

 ※ 『3』の般若の面(売価1G)など一部のアイテムを除く


 

4、勇者しか扱えない説

 万が一、呪われていたとしたら勇者になんらデメリットが無いように見えるのはなぜか。この疑問を解決するのがこの説である。ロトシリーズの武器・防具はロトの血筋の者でないとまともに扱えないようになっている呪物なのだ。きっと。
 しかしだとしたら2Gという値踏みは不可解である。前述の通り、ドラクエ世界には呪いグッズの市場が確立していることは間違いない。たとえばその呪いがロトの血筋の者以外の人間が触っただけで死ぬレベルだったらそもそも買取を拒否するだろうし、そうでないなら、もっといい値段で買い取るはずである。どちらにしても不可解なのだ。


5、三種の神器説

 ご存知、三種の神器は天皇の所有物だからこそ本物だとされている。ロトシリーズも同様に勇者が持っていたからこそロトシリーズと呼ばれるようになったのではないかというのがこの説である。たとえば『3』の勇者が持っていた剣は、後世に伝わっているような立派なものではなく、当時はボロボロの棒切れみたいなものだったのかもしれない。時代を経て打ち直されたり、装飾が施されていったのかもしれないのだ。『2』の世界ではロトシリーズが最強の武器ではないことも傍証となろう。
 しかし、だとしたら「そんな装備でよくラスボスを倒せたな」というツッコミは避けて通れない。それとも前述の「勇者しか扱えない説」とミックスして、普段はボロボロの棒切れだけど、勇者が持った途端、立派な剣に変わるとでも言うのだろうか、、、 


6、組合の協定説

 アカデミー賞のトロフィーであるオスカー像は売買が禁止されており、万が一売りに出された場合は1ドルでアカデミーへ譲渡しなければならないという規定があるのはご存知だろうか。これと同様にドラクエ世界の武器・道具屋組合には「ロトシリーズは○○ゴールドで買い取る」という協定があるのだと主張するのがこの説である。
 ドラクエ世界における伝説のロトシリーズは埋蔵文化財であり、その所有権は王室にあるためロトの血を引く者以外は単純所持しているだけで処罰の対象となる。したがって買い取られたロトの剣は、すぐさま王室の役人が飛んできて没収していく。有事のとき本物の勇者へ託すため、王室にはロトシリーズを所持・保管しておく責務があるからだ。
 だとしたら、なおさら本物の勇者である主人公がロトシリーズを売却できてしまうのはシステム的におかしいという反論があるかもしれないが、そもそも「道具屋にロトシリーズを売り払っちゃうようなやつが本物の勇者なわけがない」というのが王室の見解なのだろう。我々は試されているのかもしれない、、、




7、道具屋には識別できない説

 『3』の勇者が残して行った武器・防具について確定的な公式アナウンスは存在しない。したがって「ラスボスを倒したときの装備」と解釈すると、どの武器・防具でクリアしたかは、そのプレイヤーにしかわからない情報(未プレイの場合は誰にもわからない情報)であるから、当然、道具屋には識別できないと考えるのがこの説である。
 たとえば、ひのきの棒で『3』をクリアしたプレイヤーにとっては、ひのきの棒こそロトの剣ということになるだろう。ドラクエが手本にしたゲームのひとつであるWizardryシリーズに注目すると、同作では正体不明のアイテムを識別なしで売ると相応の売価になることから、ロトの剣の2Gも何か相応のアイテムの売価だと主張するのがこの説の最大の特長だ。しかしロト三部作のドラクエ世界で売価2Gに相当するアイテムは今のところ見つかっておらず、また、なぜ2Gに統一されてしまっているのかについても明確な答えは示されていない。



8、容量の制約上「買取拒否パターン」を入れられなかった説

 最後は少々メタ的な理由。ドラクエ第一作目である『1』は容量が極小だったことから、データ節約のため涙ぐましい努力がされたことで知られている。おそらく「それは買取できません」という買取拒否パターンのセリフも、容量の関係で削らざるを得なかったのだろう。苦肉の策でロトの剣、並びにロトの鎧の売価を、プレイヤーが絶対に売らないであろう最低金額の「1G」に設定したのではないかと主張するのがこの説だ。

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 ※『2』で実装された買取拒否パターンのセリフ

 それをふまえて、『2』では念願の買取拒否パターンが実装されたわけだが、なぜかロトシリーズは買取拒否にならず、安価で売却されてしまうというネガティブな設定だけが引き継がれてしまった。その理由についてこの説は「スタッフの遊び心だったのでは」と推測するにとどまっている。




 以上が主な8つの仮説である。

 個人的には一番最後の仮説のようなメタ的なものではなく、思わず想像力・妄想力がフル回転してしまうようなドラクエ世界の物語の中で説明できる理由を探しているのだが、皆さんなら、どんな回答を導き出すだろうか。



orotima-ku1.pngみんなの意見を
聞かせてくれい!




 ※ちなみに『3』では、死んだ者を生き返らせることのできるアイテム「世界樹の葉」も、そのチートな効能のわりに売価がわずか3Gと異常に安いのだが、こちらは昔から議論されている「ドラクエ世界における“死”とは何か問題」に絡んでくるため、今回はあえて距離を置いている。

◆ドラクエ考察シリーズ◆
ダンジョンの宝箱から“本当のドラクエ世界”が見えて来た!!
経験値って何!? 「ライアン餞別事件」のせいでドラクエ4が嫌いになってしまった知人の話

[ 2018/09/21 17:54 ] 謎・調査シリーズ | コメント(25)
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経験値って何!? 「ライアン餞別事件」のせいでドラクエ4が嫌いになってしまった知人の話


◆DQ4を嫌いにさせた事件◆

 憶えてる?

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  『ドラクエ4』の第一章をクリアしたとき、ライアンは王様から“あるもの”をプレゼントされるんだけど、、、

 先日、知人Qがふいにドラクエの話をしはじめた。なんでも彼は当時、その演出のせいで『ドラクエ4』のことを嫌いになってしまったというではないか。はて、そんなことあったかな。調べてみると、たしかにライアンは王様からあるものをもらっていたのだ。

 それは、、、経験値

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 ※実際の画面
 ※このあと、ツーと音が鳴って経験値3000ポイント(ファミコン版の場合)が加算される


 幾多のクエストをこなしたライアンは伝説の勇者を求めてさらなる旅へ出る。そのとき、たしかに王様から餞別(せんべつ)として経験値をもらっていたのだ。あれは本気でやっちゃいけない演出だよ、Qは悲しげにそう言った、、、

 いわゆるライアン餞別事件である。



◆図式の崩壊◆

 そもそも経験値という言葉は『ドラクエ』が発祥ではないものの、同ソフトが新しい日本語として世間へ定着させた影響は計り知れないと言われている。(参照

 そんな同作の経験値を得られるイベントは戦闘のみだったのだ。つまりQをはじめとする多くのファミっ子にとって『ドラクエ』の経験値=戦闘で得られるポイントという図式が成り立っていたのである。

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 しかし四作目にして初めてひとから経験値をもらったキャラクタが現れたのだ。それがライアンだった。この突然の演出は長い間、彼の中で成り立っていたドラクエの経験値の図式を崩壊させたのであろう。

 厳密に言うと、この図式は前作『3』に登場した「しあわせのくつ」が既に崩していたのだが、このアイテムについてQは“特殊な魔力がかけられた靴を履いた状態でフィールドを歩く”という行為が経験値になると解釈すれば何とか許せたらしい。しかし今回は違う。ひとから経験値をもらうとは一体どういうことなのか。もしかしてナメック星の長老みたいに王様がライアンの潜在能力を引き出してくれたということなのか。それともドラクエ世界での経験値は「キン肉マン」の超人パワーみたいに光る玉に物質化(可視化)でき、他人へ与えることができるのか、、、

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 ※一歩歩くたびに経験値が1ポイントもらえた「しあわせのくつ」

 当時、中学生だった彼にとってこの王様の行動は、あまりにも唐突で、不可解で、腹立たしいものだった。結局、クリアするまでイライラがおさまらず、とうとう『ドラクエ4』自体を嫌いになってしまったというわけなのだ。



◆バランス調整説◆

 改めて考えてみよう。
 なぜ、王様はあのときライアンに経験値を与えたのだろうか?

 その理由について、ライアンが第五章で他のキャラクタと集結したとき一人だけレベルが低い状態を避けるためと説明するのはバランス調整説だ。(※) しかし『ドラクエ』のように本来の意味でのロールプレイングを志向するゲームにおいては「どれだけ物語に没頭できるか」が核心であり、物語の外にある事情を匂わせるようなメタ演出は、プレイヤーを興醒めさせるリスクが高いため、なるべく入れないのが定石である。

 ※この説のソースに関しては現在「ニコニコ大百科」以外に見当たらないのが難点だが

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※ゲーム終盤にはマスタードラゴンからも経験値ボーナスをもらえる

 勿論、ドラクエ世界にはメタ的な発言や演出がいっさいなかったわけではない。

 ただ、シナリオを担当した堀井雄二氏は、勇者たちが全滅しても復活できるというゲーム的な処理を「死んでしまうとは何事だ!」というシニカルな一言で、見事に物語の中へ消化させてしまった豪腕の持ち主だ。バランス調整などむしろ堀井マジックの見せ所ではなかったのか。それなのに、どうして取って付けたような演出をせざるを得なかったのか。元々『ドラクエ』にとって王様は「ふっかつの呪文」など、ゲーム的な処理を担うメタな存在ではあるものの、今まで築き上げてきたドラクエ世界における経験値の概念を覆してまでそれをさせる必要はあったのだろうか?

 Qは言った。王様が餞別を与えるとき、一度しか使えない王家の秘宝アイテムをライアンに強引に使わせて経験値ボーナスを与えた方がプレイヤー側としてはすんなりと理解できたのではないかと、、、

 私は彼に何て答えれば良かったのだろう。



orotima-ku1.pngみんなの意見を聞かせてくれい!



 ※Q=市長queen氏 好きなドラクエシリーズは『2』と『3』
[ 2018/09/12 23:24 ] 謎・調査シリーズ | コメント(23)
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誰も語らないおまけ菓子「ファミコンスナック」の謎 【ファミコン駄グッズの世界】


◆絶妙なミスマッチ◆

 ファミコンスナックと聞いて「ぱる(※1)」や「あぜ道(※2)」を、思い浮かべるひとは相当なファミコン脳の持ち主である。だが、かつてエスビー食品が販売していたおまけ菓子「ファミコンスナック」のことを思い出した、というひとがいたら心から尊敬しよう。

 それは突然の出来事だった。日本有数のスクウェアグッズコレクター・市長queenさんから一枚の画像が送られて来たのだ。

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 ※スクウェア広報誌「Times Square」 1990年春号より


 な、なんだこりゃ!?
 こんなお菓子は初めて見たぞ。

 記事のタイトルにも「あまり知られてないけど」って紹介されてるくらいだから、当時もそんなに有名じゃなかったのかな。

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 ※拡大図


 しかしファミコンのスナックだから「ファミコンスナック」という、ひねり無しのド直球なネーミングもさることながら、耽美な雰囲気の天野絵と「焼きとうもうろこし味」という軽薄なフレーズの絶妙なミスマッチよ!

 ※1:『ポートピア連続殺人事件』に出てくるスナックの名前
 ※2:『たけしの挑戦状』に出てくるスナックの名前



◆唯一のカード◆

 そして、これが市長queenさんが所持しているカード「No.12 フリオニール」である。なんでもこのスナックにはカードがおまけで付いていたらしいのだ。

 (表)
famicomsnack040.jpg


 (裏)
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 ただし、30年来のスクウェアグッズコレクターである彼ですら、今のところ確保しているのは唯一このカードのみ。他には、かつてオークションで人形付きのロックマンのカードを目撃したのみだという。

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 ※参考画像(aucfanより)
 
 それがこちら。

 おお、これは『ロックマン2』のクラッシュマンだね。カードは『FF』関連だけじゃなかったのか。しかし上に付いている人形はなんだろう。ちょっと謎多めだな(笑)



◆3種類のパッケージ◆

 調査を依頼された私オロチはさっそく、Web上に以下のような記述を発見。引用させてもらおう。

 ファミコンスナック
・昔SB食品で発売されていたスナック菓子。
・FF2のカードがおまけに付いてくるがどちらかというとロックマンやマリオの方が当りやすい。
・私が買うと、やたらフリオニールが当たった。
・なぜかフリオニールのパッケージの奴だけが売れ残っていた(それを買いあさるのは私)。


 なるほど。FFの他にロックマンやマリオのカードが付いていたらしい。

 それにしてもこのFFのパッケージのやつだけ不人気だったとは。いや、分かる気がするよ。この絵(FF2のジャケット絵と同じ)、お菓子のパッケージとしては無駄に目力があるもんね。もし私が鳩だったら一目散に逃げ出すよ……

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 ※パッケージより黒い部分の拡大図

 改めてパッケージを眺めてみるとそこには「ファミコンキャラクターカード入り」と記載されており、わかりにくいにも程があるが下の黒い部分は『スーパーマリオブラザーズ3』、『ファイナルファンタジーII』、『ロックマン2』と書かれているように見える。

 カードはこの3タイトルからランダムで当たったのか。発売時期やカードの種類について、もっと詳細を知りたいところだ。



◆エスビー食品さんへ突撃!!◆

 こうなったらダメ元でメーカーへ突撃するしかない、ということで、発売元であるエスビー食品へ問い合わせてみたところ……

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 ※エスビー食品といえばこんなん出てきました。「S&Bスナック佐藤くん」の缶バッグ。

 なんと、後日、ものすごく丁寧な回答が返ってきたのだ。古い資料をわざわざ調べてくれたらしい。ありがとうございます。さっそく掲載の許可をいただいたので紹介したいと思う。

 まずファミコンスナックの商品仕様について。

 【商品仕様】
<ファミコンスナック>
 ファミコンソフトの人気3つのキャラクターセレクト
 50円・100円の2タイプ 計6種類
 「スーパーマリオブラザーズ3」
 「ファイナルファンタジーII」
 「ロックマン2」
・50ファミコンスナック:焼とうもろこし味、50円袋入り
・100ファミコンスナック:うすしお味、100円カートン入り



<スーパーファミコンスナック>
 「マリオとワリオ」1種類
・スーパーファミコンスナック:お好み焼味、100円袋入り


 50円タイプが袋のやつ。100円タイプが箱のやつだね。3種類のタイトルは予想通りだったが、スーパーファミコンスナックってやつもあったとは知らなかった。



◆販売期間と地域◆

 続いて販売期間と地域について。

【販売期間・販売地域】
<ファミコンスナック>
・50ファミコンスナック:西日本 1989年10/20~順次全国へ
・100ファミコンスナック:西日本 1989年10/20~順次全国へ



<スーパーファミコンスナック>
・スーパーファミコンスナック:西日本 1994年6/13~順次全国へ


 『スーマリ3』が88年10月23日、『ロックマン2』が同12月24日、『FFII』が同12月17日リリースであるから、ファミコンスナックの発売がその1年も経ったあとというのが気になるね。お菓子が発売して半年後には『FFIII』がリリースされているし。この1年のズレが「あまり知られてない」とか「売れ残っていた」とかいう証言を残す結果になったのかもしれない……

 ちなみにSFC版『マリオとワリオ』のリリースも93年8月27日なのでスナックの発売はその10ヵ月後になる計算である。



 地域については最初は西日本で販売され、徐々に全国展開していったと読み取れる。



◆おまけカードの詳細◆

 続いて封入カードについても、詳しい話を聞くことができた。

【封入カードの種類】
<ファミコンスナック>
・50ファミコン:キャラクターカード1枚(白カード紙 12種類×3)
・100ファミコン:キャラクターカード1枚(蒸着カード紙 12種類×3)+ゴム人形19種類
 ※蒸着カード紙は白カード紙より、艶や輝きがある。



<マリオとワリオ>
・スーパーファミコン:オリジナル6角メンコ2枚(普通18種類、ゴールド6種類 合計24種類)


 思ったよりは種類が多いな!

 市長queenさんが持っている「No.12 フリオニール」は100円の箱タイプに封入されていた蒸着カードだったようだ。本来ならゴム人形がついていたらしい。たしかにロックマンのカードには何のキャラかよくわからない人形(クッパ?)が付いてるね。

 なお、エスビー食品さん、カードの現物についても「残ってるかもしれない」ということで調べてもらっていたがさすがに無かったという連絡が来た。いやいや、そこまでしていただいて、本当に感謝しかありません。



◆ファミコンスナック求む!!◆

 詳細は判明した。あとは現物である。

 ということで当サイトでは「ファミコンスナック」について、とくにおまけカードや人形ついての情報や現物を求めています。何かご存知の方、持ってるよって方がいらっしゃいましたら、是非、こちらのコメント欄へご連絡ください!!

 スクウェアグッズコレクター・市長queenさんのツイッターアカウント@DynamiTracerでもお待ちしております。



 追記:2018/7/15

 FF2大事典(CLOUD LAND)を運営されている飛雲 様よりファミコンスナックカードの画像のご提供がありました。ありがとうございます!

IMG_0005.jpg
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 これは前掲のカードとはまた別の絵柄のフリオニール。うらには同じように双六も。素晴らしい!


【ファミコン駄グッズの世界】
第1回 幻の早うち練習器「ファミコントレーニングラムネ」の謎
第2回 誰も語らないおまけ菓子「ファミコンスナック」の謎





S&B ゴールデンカレー バリ辛 198g×3箱


orotima-ku1.png夏こそ辛いカレーや!(勝手に宣伝)

[ 2018/07/14 10:44 ] 謎・調査シリーズ | コメント(3)
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幻の早うち練習器「ファミコントレーニングラムネ」の謎 【ファミコン駄グッズの世界】


◆驚きの高額落札 ◆

 先日――
 ファミコンの「ABボタン」が驚きの値段で落札されていた。

【未使用品】1980年代 当時物 コスモス ガチャガチャ ファミコン ABボタン ( 古い 昔の ビンテージ 高橋名人養成ボタン 駄玩具 駄菓子屋 )(ヤフオク!)
kosumosutakahasiyousei0.jpg

 これはコスモスの所謂インチキガチャグッズの一種であり、タイトルに記されているABボタン、あるいは「高橋名人養成ボタン」は正式名称ではない。

 それにしても高額である……
 私は複雑な心境で、オークションが終了するのを見届けていたのだった。



◆コスモスよ永遠に◆

 コスモスマニア御用達の書籍「素晴らしきインチキ・ガチャガチャの世界」に掲載されている台紙コレクションによると、本品の正式名称は「はやうちトレーニングマシン」である。

hayauttitore-ning.jpg
 引用:「素晴らしきインチキ・ガチャガチャの世界 コスモスよ永遠に」( 双葉社/2014年)

 高橋名人を思わせる雰囲気の人物が「あたたたたたたっ」と言いながら連打している絵が、いかにもコスモスらしい味のある仕上がりだ。インチキガチャのくせにプレゼントキャンペーンを開催していたようで、以下のような文言が記載されていた。

 抽選で30名にツインファミコンプレゼント
 応募券5枚一口にして送ってね
 しめきり昭和61年11月30日

 出品物を改めて確認すると、同様の応募券が付されていることから、やはり「はやうちトレーニングマシン」と見て間違いないだろう。この文言から同グッズは少なくとも昭和61年、つまり1986年頃に出回っていたことがわかる。



◆コンプREX ◆

 はやうちトレーニングマシンと言えば、ファミコン駄グッズの一級資料として知られる、まんだらけ発行「コンプREX02」の表紙になっていることにも言及しておきたい。

konpurekkusu02.jpg
 
 本書では「連射ABボタン」として紹介されていた。
 
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 開始価格1500円となっている。



◆ファミコン早うち練習器◆

 さて、ここからが本題。

 実は私オロチは、このコスモス製「はやうちトレーニングマシン」と非常に良く似たものを所持しているのだが、それがいったいどういう代物なのかサッパリわからなくて困っていたのだった。かつて、フルタ製菓より発売されていた、その名も「ファミコントレーニングラムネ」である。

famikontore-ning04.jpg

 左中央部に「早うち練習器入り」という文字が見えるだろう。

 それがこちら。

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 はやうちトレーニングマシンとの違いは、片方が十字ボタンになっていることくらいだろうか。さっそく取り出してみよう。


famicomramne01.jpg

 何度かボタンを押してみたが、やけにバネが効いており、実物とはずいぶん感触が違った。練習になるかどうか疑問であるが、ストレス解消グッズくらいにはなるだろう……



◆フルタ製菓の回答◆

 こちらが全体像と裏面の様子である。

famicomramne03.jpg
 ※箱の大きさは15㎝くらい

 正直言って当時、売っていた記憶がなく、オークション等の市場で見かけたこともない。それどころか「コンプREX02」をはじめとする資料にも載っておらず、当然、ググっても何も出て来ない。ファミコン人生35年の中で、この1個体にしか巡り合ったことがないくらい、私の中では幻級の一品である。

 ダメ元でフルタ製菓へ問い合わせたみたところ、調べて折り返してくださったのだが、残念ながら社内に資料が残っておらず当時を知る者もいないとの回答だった。まあ、そうだよな、諦めて他のことしてたらスマホが再び鳴ったのだ。
 
 ――実は、わかったことがあったのです。

 さきほど対応してくださったフルタ製菓の担当者さんだった。話によると、この商品は1987年に100円で売っていたものらしい。たったそれだけのことあるが、わざわざ再連絡してくださったのだった。丁寧な対応をしていただき感謝しかない。



◆さいごに……◆

 告白しよう。私は当初、これを「はやうちトレーニングマシン」の元ネタ的存在なのではないかと推測していた。インチキが売りのコスモス社のことだからきっと何かをパクっていたはずと……

 しかし実際は87年に販売されていたというのが公式見解だったのため、むしろ「ファミコントレーニングラムネ」のほうが遅かったのだ。正直、少しガッカリしたのは内緒である。でもよく考えたら、そもそもが、両方ともファミコンのコントローラを元ネタにしているわけで、どっちがパクリとか、そういう問題でもない気がしないでもない(笑)

 当時は同時多発的に、この手のグッズが大量発生していたのだろう。そのあたりも含めて調査を続行していきたい。



orotima-ku1.png駄グッズ系は鬼門!!

[ 2018/06/12 15:23 ] 謎・調査シリーズ | コメント(6)
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作者公認&謝罪!! 伝説のクソゲー『スーパーモンキー大冒険』の発売記念に開かれた謎の全国大会「天竺ファミコンゲーム駅伝」がとんでもねえ一大イベントだった件


◆クソゲーで申し訳ない◆

 先日、クソゲーとして有名なファミコンソフト 『元祖西遊記 スーパーモンキー大冒険』の作者さんがBEEPリレーブログに登場。クソゲーだったことを認め謝罪するという一幕があった。

【リレーブログ(クリエーター編)第2回】”スーパーモンキー大冒険”tks様 | BEEP
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 作者さんの名前はtks氏。ふとしたことからタイトーの子会社テクノクエストに入社。新人なのに、なぜかVAP発売のファミコンソフトを担当することになったんだとか。のちの 『元祖西遊記 スーパーモンキー大冒険』である。

 記事では、個性豊かなメンバーとファミコンソフト制作に悪戦苦闘した当時の状況を赤裸々に告白。同ソフトが不名誉ながら「伝説のクソゲー」と呼ばれるようになってしまった原因を、製作者の立場から以下のように指摘した。

・本来没になるべき作品がそのまま世に出てしまった。
・しかもファミコンブームのせいで30万本も出荷されてしまった

 30万本も売れていたとは驚きだ。
 そして作者のtksさんは、以下のように言葉を続けたのである。

nagaitabi0.jpg
 今動画見ても「ながいたびがはじまる…」の下りからもう我ながら笑ってしまいますが、本当にクソゲーで申し訳ない! この場を借りて、当時買っていただいた皆様にスタッフを代表してお詫び申し上げます。





◆謎の全国大会◆

 さて、私オロチがこの記事で気になったのはtksさんがふと口にした「スーパーモンキーラリー」という言葉。

 スタッフ全員、当時のイベント「スーパーモンキーラリー」の会場で台上に立たされて、満員の子どもたちの冷ややかな目線にさらされながら抱負を述べるという強烈な罰ゲームをやらされた


 正直、これがどんなイベントだったのかわからないのだけど、それで思い出したことがあったのだ。たしかこのゲーム、発売記念で謎の全国大会をやってたなあって。

 さっそく調べたところ資料が出て来たよ。こちら↓
 
tennjiku4.jpg
 出典:87年当時の雑誌「ハイスコア」より


 そうそう、天竺ファミコンゲーム駅伝だ!

 試しにググってみたけど、まったく情報が出て来ないぞ。いったいどんな大会だったのだろうか。




◆驚きの競技内容◆

 さっそく記事を読みんでみよう。

 2人交代で天竺までクリアした時間を競う大会が、全国各地で行われていた。

 いやいや、想像以上にムチャクチャだよ!(笑)

 クリアすること自体が困難な、作者すら認めるクソゲーで、クリアした時間を競う大会が開かれていたなんて、こんな話、誰が信じるだろう。日本全体がファミコンという名の熱病に浮かされていたとしか思えない所業だ。

 しかもこれ、適当に「全国大会」とか言って、東京でチョロっとやって終わり、みたいなやつじゃなかったのだ。

tennjiku5.jpg
 出典:87年当時の雑誌「ファミ通」より

 別の資料によると、この大会は旭川、新潟、関東、静岡、中京、大阪、広島、福岡、熊本、山形の10か所でそれぞれ予選をやって、勝ち抜いたグループが上京し、東京ヒルトンで決勝大会をおこなって日本一を決めるという、とんでもねえ規模の一大イベントだったのである!

 こんなの、ただのeSportsじゃん(笑)



◆作品の価値◆

 さらに言うと、地方予選を勝ち抜いた選手たちは、東京まで無料で招待されていたり、余興でアイドルのコンサートがあったりと、無駄に豪華だったようだ。

 そして気になる結果は以下の通り。
 
 優勝は南九州地区に決定。30分19秒というタイムだった。

 これはもうファミコン史上に残る30分19秒ですよ。

 優勝したグループの子らは大会に向けて、毎日、毎日、『スーパーモンキー大冒険』を練習していたに違いない。やっとの思いで予選大会を突破し、春休みになって、はるばる九州から上京。日々の努力が実って見事、日本一に輝いたんじゃなかろうか。

 私はつくづく思う。作品の価値は作者の手を離れる、とはよく言ったものだが、とくにゲームの評価が難しいのは「そのひとの体験がともなうから」だと……




 たとえ、作者自らクソゲーの烙印を押したどうしようもないゲームであろうと、その子らにとっては汗と涙の結晶なんだ。努力して日本一になったソフトに何も思い入れがないわけがないじゃないか。

 ほら、子どものときバカみたいに頑張ったことっていつまでも憶えているよね。きっと今でも彼らの中の『スーパーモンキー大冒険』は、宝石のように輝いていることだろう。素敵なゲーム体験として。



orotima-ku1.png作者にとってクソゲーでも
誰かにとっては名作なんだ




 追記:2018/7/4

 大会に参加された方の文章がWebアーカイブに残っていたという情報を頂きましたので紹介しよう。

クソゲー兄弟仁義 Kusoge Brothers ゲームレビュー 元祖西遊記 スーパーモンキー大冒険(Webアーカイブ)

 これは貴重な体験談だし、最後なんか、ちょっと感動してしました!




 ちなみに以下、余談だが……

 冒頭で紹介した記事では、あの例のメッセージについても言及がされていたのだ。たぶんWeb媒体で、作者がこのメッセージに言及するのは初めてだと思われる。

hajamonki1.jpg
 そしてもうひとりのデザイナーのNさんは、もう例の件(笑)で有名な方ですね。彼については、一言で言うとあの隠しメッセージのまんま!の人というか(笑) あの裏技を知った時には、怒るどころか爆笑してしまいました(大体いつどこで仕込んだかは見当がついてます)

 まあ、ご本人が笑ってるなら、まあ……




 そして、tksさんはあの名作ボードゲーム系おつかいRPG『百の世界の物語』も手掛けていたんだとか。昔、バンドのメンバーと遊びまくったなあ。
[ 2018/05/24 22:24 ] 謎・調査シリーズ | コメント(9)
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