http://famicoroti.blog81.fc2.com/blog-entry-40.htmlオロチのファミコン収集記 9
とある古本屋に寄ったときの話。時間は20時過ぎだった。まだやってるかなと思いつつ僕は店の駐車場に車をとめた。するとシャッターの前で
店のおばちゃんが酔っ払った男に殴られてるじゃないか。
最初は夫婦喧嘩か何かだと思ったけど様子がヘンだ。おばちゃんが頭を蹴られた勢いで、店のガラスがバリーンって割れたとき流石に車から飛び出した。男はすでに自分の車に乗り込むところ。おばちゃんは頭から血を流して倒れている。僕は迷わずおばちゃんに駆け寄った。「大丈夫ですか」
するとおばちゃん「車のナンバー・・・」と力なくつぶやく。僕はあわてて振り返り、去っていく車のナンバーを目に刻んだ。幸いなことにおばちゃんは軽症だったらしく、すぐに立ち上がりみずから警察へ連絡した。
やがて警察が来て事情を説明するおばちゃん。なんでも店の駐車場に無断駐車して、近くの飲み屋で一杯やってきた男を注意したら殴られたという。後日、僕は目撃者として署に呼ばれた。すると早々にパトカーに乗るよう言われた。まさにその古本屋のすごい近所のアパートに到着。刑事の一人がそのアパートの前にとまっていた車のナンバーを指差した。僕がとっさに憶えた番号と一致している。色も同じだ。僕は
この車ですと言った。署に戻った僕は犯人らしき男の写真を何枚か見せられた。意外と憶えてないものだ。僕は2人にしぼるのが精一杯だった。
さらに数日後、再び署に呼ばれた僕はある部屋の前で窓みたいなものを覗くように言われた。するとおっさんが取り調べを受けているではないか。正直言ってもうとっくに忘れてたけど、僕は
あの人ですと言った(笑
刑事ドラマみたいな体験だったな。僕の一言でこのおっさんは捕まっちゃうのかあと思うと、なんかすごいプレッシャーだった。ちなみに署に呼ばれると交通費が出るぞ。
事件解決後、再びその店に行くと、おばちゃんはカウンターにいた。元気そうで良かった。おばちゃんも僕に気づいてくれたようで「お世話になったお礼に
何冊でも好きな本を持って行って」と言ってくれた。僕はナンバーを憶えただけで、他に気の利いたことなんて何一つやってない。あのとき男を袈裟がためで取り押さえていたなら武勇伝だったけど現実はショボかった僕。だからお礼なんてとんでもないですと言って店を出た。
というのは嘘で「じゃあ、これでもいいですか」と僕は厚かましく、かつ大胆にカウンターのショーケースを指差したのだ。並べられていたのは
ファミコンソフト。やったね!
「あらこんなんでいいの」とおばちゃん。何本でもいいよって言ってくれたけど、結局はビビリなんだなあ。5本くらい包んでもらってそそくさと帰った。
いま思えば30本くらいもらっても良かったんじゃないかと後悔している。
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