ファミコンの全タイトル数は本当に1252本か!?


 ファミコンの全タイトル数について任天堂による公式発表はない(※1)

 そんなの数えりゃわかるって? いやいや、これが意外に厄介なのだ。今のところファミコンの全タイトル数を「日本で公式に発売されたもの」とすると1252本というのが最も有力な数字である。しかしその根拠は何だろうか。

 今回、僕はファミコン全タイトル数について調べてみた。

 ※1:任天堂は公式サイトにて「連結地域別発売タイトル数」という名目でファミコンのタイトル数を発表しているが(参照)、内訳は未発表のため、詳細はわかっていない。 更新:2013/08/31



<データベース(書籍)>
 
 まずは書籍からあたってみよう。古来よりゲーマーたちの間でデータベースとして珍重されてきた『大技林』によるとファミコンの総数は1240本で、のちに6本追加され全1246本となった。少し前(2000年前後くらいか)まではこの数字がファミコンの全タイトル数だったのだ。
  
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  大技林(徳間書店)
  ROM:1042本→1048本 DISK:198本  全タイトル数 1246本


 しかし大技林に載ってないソフトが、まだあることがゲーマーたちの間で、次第に明らかになってきた。すると満を持して『ファミコンプリート』ってのが出た。大技林に未掲載だった『なんてったって!!ベースボール 子ガメカセットOBオールスター編』、『同91開幕編』、『ベストプレープロ野球 新データ版』の3本を加えて、計1249本としたのだ。 

 F4445.jpg
  ファミコンプリート(三才ブックス)
  ROM:1051本 DISK:198本  全タイトル数 1249本


 しかしそれでもまだ載ってないのがあったらしく、ちょうどいいタイミングで『ファミリーコンピュータ1983-1994』ってのが出た。ファミコンプリートに未掲載(※掲載はしてるが周辺機器扱い、その他の理由でカウントされてなかった 2/15訂正)だった『ファミリーベーシック』、『同V3』、そして『SDガンダム(書き換え版)』の3本を加えて、計1252本としたのだ。『SDガンダム(書き換え版)』は通常版とはマップが一部変更されており、別タイトル扱いとなったのだった。
 
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  ファミリーコンピュータ1983-1994(太田出版)
  ROM:1053本 DISK:199本  全タイトル数 1252本


 意外とあっさり1252という数字が出てきた。なるほどこの数字は大技林に上記の6本を加えた数字だった可能性が高い。それが定説となっているのだ。しかしデータベースは書籍だけじゃない。僕はWEB上で同様の機能を果たしているサイトを探してみた。


<データベース(WEB)>

 まずはファミコンのデータベースといえばこのサイト「古ゲー玉国」さんのその名もファミコンソフトデータベースだ。

 hurugetamamsdaoksoad.jpg
  ファミコンソフトデータベース(古ゲー玉国)
  ROM:1053本 DISK:199本  全タイトル数 1252本
  
 こちらのサイトは『クレヨンしんちゃんオラとポイポイ』のROM版がデータック版のところにいっしょに掲載されているかわりに、『ハイパーオリンピック 殿様バージョン』が掲載されており、ROMの本数が定説と同じになっているようだ。
 お次はウェブ大百科ウィキぺディアを見てみよう。
 
 wikipekdigasdfmi.jpg
  ファミリーコンピュータのゲームタイトル一覧(Wikipedia)
  ディスクシステムのゲームタイトル一覧(Wikipedia)
  ROM:1053本 DISK:200本  全タイトル数 1253本(1251本)
  
 ここは間違いが目立つ。ディスクソフトの数がなんで200なのかなって試しに年代別のタイトル数を全部足してみたら199本だったもんね。しかも非売品であるはずの『惑星アトン外伝』が含まれているため実質は198本。したがって合計は1251本になった。
 定説より1本足りないのは『SDガンダム(書き換え版)』が1タイトルとしてカウントされてないからだと思われる。

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  ファミコン全タイトル表(大技林準拠)(ファミコン新世界)
  ROM:1048本 DISK:198本  全タイトル数 1246本

 こちらのサイトのリストは大技林に準じるかたちになっているらしい。


ge0mjouasohokoku.jpg
  全ソフト一覧(ゲームソフト情報局)
  ROM:1048本 DISK:199本 全タイトル数 合計1247本

 ここは『ファミリーベーシック』、『同V3』、『カラオケスタジオ専用カセットVol.1』、『同Vol.2』、『ベストプレープロ野球 新データ版』などが抜けていた。また『ローリングサンダー』が88,89年と2回出て来るなど混乱している様子。ちなみに同ソフトは89年が正解(ソース)で、調べてみたらビックリ。『大技林』や『ファミコンプリート』までもが間違っていたのだ。したがってネットでも間違っているところが多い。

 次からは定説の1252本よりも多い数を示しているサイトを検証してみよう。 
  
 dgmedtarand.jpg
  ファミリーコンピュータソフト一覧(GAME Data Room)
  ROM:1054本 DISK:200本 全タイトル数 1254本

 このサイトのリストが定説より2本多いのはROMに『井崎脩五郎の競馬必勝学 ニューパッケージ版』、DISKに『コナミック アイスホッケー(書き換え版)』それぞれ加えているためだと思われる。
 ちなみにこちらのリストには光栄のwithサウンドウェアシリーズの名前が挙がっているものの、通常版とあわせて1タイトル扱いとなっているようだ。細かい話だが年代別の数がWikipediaと違うのは88年の『ツインビー(DISK)』が89年のところに載っているなど、微妙に混乱しているところがあるためだと思われる。

 そして最後に僕が確認した中では一番タイトル数が多かったこちらのサイト。

 geregere.jpg
  ファミリーコンピュータ全ソフトリスト(GEAR/GEAR)
  ROM:1061本 DISK:199本 全タイトル数 1260本
  
  こちらのリストは『井崎脩五郎の競馬必勝学 ニューパッケージ版』『ハイパーオリンピック ハイパーショット同梱版』『ワイルドガンマン 光線銃同梱版』
 『蒼き狼と白き牝鹿ジンギスカン』『維新の嵐』『三國志II』『水滸伝 天命の誓い』『大航海時代』『信長の野望 戦国群雄伝』『ランペルール』のそれぞれwithサウンドウェアシリーズ、以上10本を数に入れている代わりに『ファミリーベーシック』と『同V3』が掲載されてないため1252+10-2で1260本になっていると思われる。
 withサウンドウェアシリーズが入るなら、ハイパーオリンピック、ワイルドガンマンのそれぞれ同梱版も入るという考えは納得できるが、『ファミコンプリート(三才ブックス)』によると『ロイヤルブラッド』『信長の野望 武将風雲録』にもwithサウンドウェアシリーズが存在するらしいので(僕も昔オークションで見た記憶がある)、これらのシリーズを1タイトルとして数えるなら、この2本も加えなければならないだろう。


<パッケージ違い>
   
 しかし『井崎脩五郎の競馬必勝学 ニューパッケージ版』などパッケージ違いを数に入れるとなると話は違ってくる。ファミコンにはパッケージ違いのソフトって意外と多く存在するのだ。初期任天堂の銀箱など有名だろう。初期ナムコのソフトがハードケースで再販されたナムコット名作シリーズってのもある。

 マニアックなところではテトリスも初版と第2版とではパッケージが微妙に違う。パッケージだけじゃなくROMに目を向けると、初期任天堂のROMのラベル違い(ロゴと絵)や、初期アイレムの発光ダイオードの有る無しや、燃えプロのカセット色違いなど枚挙にいとまがない。なんなら『KUNG FU』だって含まれてしまうだろう。そう考えるとパッケージ違いなどはいまだにすべて解明されてないし、そもそも解明できないくらい無数にあると思うから、含めないほうが賢明だと言えるかもしれない。


<ディスクの書き換え版>

 では、ディスクの書き換え版についてはどうか。
 定説の1252本のなかには『SDガンダム(書き換え版)』が含まれているわけだが、その根拠は内容が違っているからというものだった。しかしそうなってくるとどこまで違えば別タイトル扱いにするのかという問題が出てくる。なぜなら内容が少し違ってる書き換え版は実は他にも存在することがわかっているのだ。

 ファミコン制覇サイトとして、また攻略サイトとしてもお馴染みの「FCのゲーム制覇しましょ」まとめ内ページFC制覇に含まれないゲームの数々によると、ディスクの書き換え版で内容が少し違ってるものにはSDガンダムの他に、『ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲』『キン肉マン王位争奪戦』『勇士の紋章』などのタイトルが挙げられている。

 akonamismkoaa.jpg  

 また、それ以外にもファミリーコンピュータソフト一覧(GAME Data Room)に名が挙がっていた『コナミック アイスホッケー(書き換え版)』は今のところ詳細不明だが、一時期オークションにて不自然なくらい値段が上がっていたこともあり(ソース ※ソース内の参照先はリンク切れ)、きっと何かあるに違いない。


<バージョン違い>

 では内容が違うという視点からみよう。つまりバージョン違いという考えでいくと『ハイパーオリンピック 殿様バージョン』などは非売品だったが、のちに販売されてるので入ってもいいようなものだが定説からはもれている。
 もっと内部的なバージョン違いの話では、たとえば『ドラクエ4』で戦闘中に8回連続「にげる」に失敗すると攻撃がすべて会心の一撃になるというバグ技があり、第2版以降のドラクエ4が修正バージョンになったという話は有名だ(ただ、この修正バージョンの存在については疑問の声もある)。そういったバージョン違いをすべて洗い出し、どこで線を引くのか。そんな作業は不可能に近いだろう。


<販売ルート違い・形状違い>

kyu-ta010.jpg

 微妙な立場にいるソフトについて。
 上写真(提供者Kazuさん)の『NHK学園』はQ太というアダプターを介してプレイすることのできる立派なファミコンのソフトで全6種類が確認されている。同ソフトは非売品ではないが、普通のオモチャ屋で売ってなかった(販売ルート違い)という点では『アイアムティーチャー』シリーズと同様だ。
 さらに特殊な形状のROMだった(形状違い)という点では『データック』や『カラオケスタジオ』と同じなのだ。それなのにその名前がどのリストにも載ってないことについて、明確な理由はあるのだろうか。

 さらにこの考えでいくと100種類以上あると言われているスタディボックスのカセットテープなども数に含まなければならなくなるのではないか。


<忘れ去られたソフト>

ファーぷc1専用v3

 またシャープのファミコンテレビC1には専用のキーボードがあって、専用のファミリーベーシックのようなソフトが存在した。『プレイボックスベーシック』である。こちらのソフトも非売品ではなかったはずだが、書籍やWEB上のリストはおろか、ブログやツイッターなどの話題にすら挙がったことがなかったりする。まさに忘れ去られたソフトである。



<最後に>

 ここまで読んでいただいた皆さんには、ファミコンの全タイトル数が書籍によってサイトによってバラバラだという現状を分かっていただけたと思う。1252本という数字もそのなかの1つに過ぎないのではないかという印象を受けたのは僕だけじゃないはずだ。そしてこれが入ってるなら、これも入れなきゃという候補がいくつもあることもわかっていただけたと思う。
 そこで、僕のほかにもファミコンの全タイトル数について疑問に思ってる方がいたら、ぜひ意見を聞かせてほしいと思うのだ。ファミコンの全タイトル数は本当に1252本なんでしょうか。誰か詳しいひと教えてください! 


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オバケのQ太郎「シルバーカートリッジ」が出ましたよ


 去年12月、オールナイトニッポン版スーパーマリオのROMがオークションに出品されているという記事を書いた。こちら。そのときこの出品者はオバQのシルバーカートリッジなるものを出品する予定だと説明文に書いていたが、なにげに出品されているというタレコミ情報をいただきましたので、さっそく覗いてみた。

obakyusiruba-0.jpg


 「激レア」非売品 オバケQ太郎 シルバーカートリッジ


 10万円スタートかあ。
 ゴールドカートリッジは主人公のオバQが黄金色だけど、これはどうなんだろう。気になるよね。でもご安心下さい。なんと今回のオークションはゲーム画像も公開されていたのです。こちら↓

obakyu002.jpg

 え、透明
 これって単なる無敵状態なんじゃないの。

 >最初から、オバQは透明になってる。

 だそうだ。へーえ……
 市販のものとは内容が違うってことはわかった。

 >15年前買った価格は280、000円だったそうです。

 なんと、どこかで買ったものだったのか。しかも28万だって。どこかお店か、個人か。お店だったら目撃情報があってもいいと思うけど。とにかくオバケのQ太郎「シルバーカートリッジ」に詳しい方、何か情報ください!

 
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