「クソゲー」という言葉で思考停止してる皆さんへ


<『星をみるひと』はクソゲーか>

 世間的にクソゲーとして有名な『星をみるひと』について、興味深いエントリーがあったので紹介しよう。
 
「星をみるひと」で語るクソゲー論 (togetter)

kuso08.jpg

 エントリーでは『星をみるひと』がクソゲーと呼ばれる原因を「ゲームスタートしたらいきなりフィールド上で最初の村が見えない」「パスワード再開後は経験値とお金は256の剰余値が切り捨てられる」という難解なゲームデザインとしながら、それらは「説明書に丁寧に書いてある」と指摘。頭ごなしにクソゲーと評する人々に苦言を呈している。

 また「内容すべてがクソゲー」ではないとして「戦闘BGMが2曲ありプレイヤーを飽きさせない」「成長によって見た目が変化するキャラクタ」「マルチエンディング」など評価すべき点を挙げ、クソゲーと呼ばれる原因となった難解なゲームデザインについては「当時のハードや開発環境、プレイ環境ゆえに残念な評価を受けている」という主張を展開した。



<そもそも「クソゲー」の定義とは>

 僕のようなレトロゲーマーは往々にしてクソゲーという言葉を好意的に使いたがると思うのだが、世間的にはちょっと違うらしいのだ。

 記事コメント欄に、そもそもクソゲーとは考察や分析を完全に放棄する言葉という発言があった。それ故、クソゲーという言葉が氾濫するということは、すなわち、ゲームに対しての「考察や分析の放棄」が氾濫することだという。だからこそ、軽々しく使ってはいけいないというわけだ。

 なるほど、そういうことか。やっとわかった。

 つまり、みんなクソゲー、クソゲーって言って思考停止してるけど、ちゃんと説明書を読んでプレイしてから言ってるのか?ってことだな。



<説明書ありきになっていないか>

 でも、僕はどっちかというと説明書を読まないでプレイするほうなんだよね。たとえば恥ずかしながら『忍者クルセイダーズ 龍牙』は、クリアしてから聖魔獣に変身できることを知ったよ。だから余計と考えさせられる。本当はゲームなんて、説明書を読まなくても、楽しめればそれでいいとさえ思うからである。

 ゲームボーイの生みの親として知られ、『Dr.マリオ』など大人気ソフトも手がけた故・横井軍平氏は著書などで以下のような発言をしている。

 「ゲームをするひとは説明書なんか読まない。
  キャラクタがそのまま操作説明になればいい」


 光線銃などの玩具をつくっていたころから任天堂を支えてきた横井氏ならではの言葉だと思う。彼が世界的ヒットさせたゲーム&ウオッチなんか思い出してみると、その言葉の重みがわかるよね。もちろんこれは説明書を読むことを完全に否定しているわけではない。読まなくても遊べるゲームが理想的だと言ってるのだ。

 したがって『星をみるひと』のように説明書ありきのゲームは、やはりクソゲーと呼ばれても仕方なかったのかもしれない。

 もちろん説明書を読まなければろくにプレイできないゲームはファミコンにもたくさんある。たとえば『A列車へ行こう』なんかはABボタンとセレクトボタンを組み合わせた高度な操作が要求される。説明書を読まないと本当に何もできないよ。
 でもそれはあくまで操作マニュアルの話だろう。『星をみるひと』みたいにゲームの根幹に食い込んでくる話じゃないのだ。



<「クソゲー」という言葉で思考停止してる皆さんへ>

 じゃあ、説明書さえ読めば『星をみるひと』も楽しくプレイできるようになるのか。正直微妙なんだけど(笑)、エントリー主が最後に指摘したように、ゲームを評価する際に「クソゲー」という言葉で思考停止するのは、いかがなものかと僕も思うよ。

 世間一般的にクソゲーって言われてるから、やったことないけどクソゲーって言っとけみたいなノリが一番しょうもないよね。

 少なくとも思考停止からは何も生まれない。

 べつに考察なんかしなくてもいいじゃん。分析なんて必要か? まずは何も考えずコントローラを握ればいいんだよ。いっそのこと苦行だと思ってプレイしてみ。そこからは「忍耐」が生まれる。それでも駄目だったら、ネタにして馬鹿にすればいいじゃない。そこからは「笑い」が生まれる。そうやって貪欲に遊んじゃえばいいんだよ!

 そんな風に思ってるからこそ、僕は「クソゲー」という言葉を好意的に使っているのかもしれません……




超クソゲー3超クソゲー3
多根 清史 阿部 広樹 箭本 進一

太田出版 2011-09-22
売り上げランキング : 27339

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


関連記事
たった一人のファミコン少年タイトルGIF
 コメントの投稿










管理者にだけ表示を許可する
このブログについて
スポンサー
プロフィール
管理人:オロチ
Twitter:oroti_famicom

取材,執筆,コレクション貸出などの依頼はこちらまでお気軽にお問い合わせ下さい。


情報提供窓口

月別アーカイブ
過去の記事
(ランダム表示)
Powered by 複眼RSS
お知らせ
オロチの小説
カクヨムにて公開中!
QRコード
QR