オロチのファミコン収集記 2


 大学生になると僕の家は友達のたまり場になっていた。正確に言えば家じゃないんだけど。高校のときに親が別の場所に家を新築したので、今まで借家だったそこは、親の経営する会社の事務所になっていたのである。で、2Fがまるまる空いていたので、その部屋のひとつに僕が住み着いてしまったわけだ。隣の部屋にはときにはエジプト人が、ときには作家志望の女性が暮らしていた。で、1Fの奥がレコーディングスタジオだったりして(といっても防音設備も何も無い単なる楽器部屋だが)本当に訳がわからないんだけど、何万回思い出しても、全部事実なのだ。

 僕たちは毎日、麻雀をやったり、コンビニでプリンを全種類買ってきたり、一晩中フリスビーをやったり、即興アングラソングを録音したり、ミニ四駆のコースを作ってみたり、女の子を呼んで鍋パーティをやったり、スケボーをやったり、庭でアリの行列を見てたら、それが僕たちの部屋に続いてたりと、バカみたいな日々を過ごしていた。そんな中、みんながファミコンカセットを持ってきて、いつのまにかカセットが100本くらいになってたんだよね。よく憶えてないんだけど、とにかくキン消しとかビックリマンシールとか、みんな持ってくるから僕の部屋はいつしか、みんなが小学校のころ遊んだおもちゃの墓場みたいになっていた。

 その頃のゲーム市場といえば、次世代ゲーム機だ何だと騒がれ始めた時期で、実はいうと僕も発売されてすぐにプレステを買ったんだけど、3日で友達に売ってしまった。ポリゴンが気持ち悪かったのだ。やがて僕たちは毎日テクモワールドサッカーや、Drマリオや、いただきストリートをやるようになり、何気なく思った。ファミコンのカセットって何種類くらいあるのだろうって。それでなんとなく集めてみようってなったんだ。

 そしたら集まる集まる。そりゃそうだ。僕たちの世代はまさにファミコン世代。小学生のときにファミコン全盛期を過ごした世代だ。同級生にファミコンを持ってない奴なんていなかったし(あ、セガしか持ってないやつが一人いたか・・・)、しかも現役でファミコンをやってるやつもいない。押入れに眠っているファミコンのカセット持参で遊びに来いと言って、連絡が取れる奴を片っ端から呼べばいいだけの話だった。

 まさにファミコンが向こうから勝手にやってくる状態。僕たちは見事にロケットダッシュを決めたわけだ。カセットの数は瞬く間に300本を越えたのだった・・・
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