元社長が語るコンパイル倒産の最大要因と「ぷよぷよ」シリーズの反省


 「ぷよぷよ」シリーズなどを生み出した元コンパイル社長・仁井谷正充氏インタビューが掲載中。

<インタビュー>
コンパイルという十字架,蟄居の気持ちから再起して「にょきにょき」へ。コンパイル○社長・仁井谷正充氏インタビュー (4gamer)


 コンパイルといえば拡大路線が失敗して倒産したゲームメーカーということで有名ですね。1998年に広島地裁に和議申請、2003年には倒産しています。ちなみに現在「ぷよぷよシリーズ」の版権はSEGAが所有。

 それではその最大の原因は何だったのでしょうか。同記事で仁井谷氏は以下のように述べています。引用。 

 「ぷよぷよ」をテーマにした遊園地,「ぷよぷよランド」を作ろうと考えたんです。そのためにはたくさんのスタッフが必要になるからと,大量に新規採用したことで資金ショートを起こしてしまったことですね。


 えっ、テトリスランドすらないのに……


 さて、そんなインタビュー記事の中で他にも気になる言葉がありました。以下引用。

 僕は独裁者と言われることもあるんですが,逆ですね。クリエイターとして,イエスマンの人こそ周囲に置きたくない。自分と違うアイデアが出てくるからこそ面白いんです。(以下省略)



 これの何が気になるのかというと、実は「ぷよぷよ」の監督・企画を担当した元コンパイル社員である米光一成さんのブログ「こどものもうそうblog」の2006年8月2日付けの記事には、まったく逆のことが書かれているからです。 以下引用。

 社長の意見にイエスしか言わない人だけを周りでかためはじめていると感じていたこともあって、ぼくは辞めることにした


 出典: 「起業と倒産の失敗学」とコンパイル風の設計2


 こちらの文章は米光さんがコンパイルを去る決意をした理由のひとつして語られており、辞めていった多くの同僚も、おなじような気持ちだったという。

 ただし米光さんは、そんな仁井谷元社長の猪突猛進的なパワーがあったからこそ「ぷよぷよ」は大ヒットしたと分析。経営者としての同氏を高く評価した上で、そのかわり、倒産したのも同じ原因だと述べています。

 しかし、この記事、2006年のエントリーなんですけど、読んでるといろいろ面白い。何が正しくて何が間違ってるとかではなく、立場が違えば見方も違うってことなんでしょうけども、こんなにも、ことごとく違うのかって。



 次に、インタビュー記事で仁井谷氏は「ぷよぷよシリーズ」の反省点として以下のようなことを述べておられましたが……

 「ぷよぷよ」というゲームは2作めの「ぷよぷよ通」で完成しているんです。このとき,疑問に思っていたのが,1作めの「ぷよぷよ」は渋谷の女子高生達も遊んでくれたのに,「ぷよぷよ通」ではそうならなかったこと。落ちものパズルは対戦者同士に力量の差がありすぎると試合にならないので,それを何とかしようと3作めの「ぷよぷよSUN」では「太陽ぷよ」という要素を入れたけれど,やはり1作めほど広い層が遊んでくれるには至らなかった。



 正直、僕はあまりピンと来ませんでした。

 僕は今でも息子(小学生低学年)とメガドライブで遊ぶことがあるのですが、息子の世代は、ゲームに女の子のキャラクタとかが出てくると「わあ、きもい」とか「変な女が出てきた」とか、あからさまな拒否反応を起こします。
 これは異性へ芽生えたわけのわからん感情をうまく表現できない時期の子ども特有の反応だとは思うのですが、ぷよぷよのキャラクタは、今で言う萌えキャラってやつでしょうか、たぶん、萌えキャラってやつはそのような感情を(良い方向へも、悪い方向へも)へんに刺激してくる絵柄なんでしょうね。

 女性にも萌えキャラを受け付けない方は多いんです。生理的に無理って方もいます。女性の場合はたぶん男性のそのような感情をいかにも刺激してるような絵柄に嫌悪感をいだくのでしょう。
 もちろん成人男性にも萌えキャラを受け付けないひとはたくさんいるわけで……

ぷよぷよ  MD 【メガドライブ】

 まあ、初代(メガドライブ版)にしてパッケージがこれですもんね。なぜかパッケージが女の子です。この絵柄が萌えキャラかどうかは別として、あと内容も別として、「ぷよぷよ」はいわゆる萌えキャラ商法で大ヒットしたゲームという位置づけをされても、おかしくない売り方をしてたと思います。

ぷよぷよ通(2)  MD 【メガドライブ】

 そして「ぷよぷよ通」のパッケージがこれです。僕は「ぷよぷよ」シリーズがこういう路線である限り、幅広い層の支持は、そもそも難しかったのではないかと考えます。そういう意味では現在のSEGAのぷよぷよキャラクタは、かなりポップなデザインになりましたね。


 ちなみに補足じゃないんですけど、インタビュー記事で、仁井谷氏は「ぷよぷよ通」の「通」について以下のように述べていました。

 これは「ファミ通」の“通”なんです。


 ほかにも,“通”には「マニア的に物事に通じている」といったニュアンスもあるから,ここに英語の“two”をかけて「通」とした。こうしたセンスはアイデアを生み出す努力の積み重ねです。



 この文章だけだと「なぜ唐突にファミ通の名前が?」で終わっちゃうんですが、これは確か、通信対戦できるという意味もあったので、そのことを言ってるのかと思われます。



 関連記事:コンパイル元社長が語った『ぷよぷよ』誕生秘話「ドクターマリオにルーツがある」
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[ 2016/09/21 14:13 ] ゲーム業界 | コメント(9)
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たった一人のファミコン少年タイトルGIF
印象としては少女漫画風、いわゆる萌え絵とはなんか違うと当時は思ってたけど
女性に受けたのは少女漫画みたいなキャラだからと勝手に思ってた
3762. [ 2016/09/21 17:50 ] [ 編集 ]
当時小学生だったけど、ぷよぷよという響きが
やらしいものに感じて人前で「ぷよぷよ」って言えなかったな。

ファミ通の読者投稿かなんかにもおもちゃ屋で
「ぷよぷよください」っていうのが恥ずかしいって記事を見たことがある。
3763. [ 2016/09/21 18:15 ] [ 編集 ]
 なるほど少女漫画かあ。僕もいわゆる萌え絵というのは苦手なので、疎い部分もありますが、そうなってくると萌え絵と少女漫画の境界線が気になりますね。

 「ぷよぷよ」というタイトルへの違和感。ものすごくわかります。僕はそれをそのまま氏の新しいゲームのタイトル「にょきにょき」や前作とされる「ポチッとにゃ~」に感じていました。きっと、かわいい語感が好きなんでしょうけども、なんといいますか、タイトルの時点で、かなりひとを選んじゃってますよね。
3764. [ 2016/09/21 20:04 ] [ 編集 ]
社長が言うようにぷよぷよって初期にしてゲームは完成してて、そこからはキャラ人気で延命してた印象だが…
キッズアニメ好きなオタクみたいな層が固定ファンとして残り
男性キャラは女性にかなり受けてたはず
3765. [ 2016/09/21 20:33 ] [ 編集 ]
 僕も当時「ぷよぷよ」は男女問わずオタクに人気があったという印象です。でも記事で氏は真逆なことを言ってるわけなんですよ。本文でハイライトにしながら触れるの忘れてましたけど、渋谷の女子高生ってワード。僕はものすごい引っかかったんですよね。
 ぷよぷよが流行ってる基準が、なぜ新橋のサラリーマンじゃなく、渋谷の女子高生だったのか。このへん掘り下げていくと、きっと氏の「かわいい語感好き」にもつながっていくとは思いますが、(個人的には興味ありますが)、なんかネタ的には不毛なので自重します(笑)
3766. [ 2016/09/21 21:15 ] [ 編集 ]
ぷよぷよランドの外観図をテレビで見たことがある。
変なところにお金かけすぎなんだよ。
3768. [ 2016/09/22 07:58 ] [ 編集 ]
社長は経営からっきしで会社潰したようなもんだからな
タコ部屋でアルバイトしながらゲーム開発して再起賭けたのはすごいと思うけど
3769. [ 2016/09/22 08:05 ] [ 編集 ]
そういえば当時自分は思春期だったのでぷよぷよはイメージ的になんか嫌だなーと思ってやらなかったですね。
3770. [ 2016/09/22 10:34 ] [ 編集 ]
なんていうか男性キャラが少女マンガっぽいんで、勝手にそう思ってました
ただ近所のゲーセンだと対戦はぷよぷよだったかな。テトリスではなかった思い出ですね
3771. [ 2016/09/22 23:29 ] [ 編集 ]
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