たった一人のファミコン少年タイトルGIF

堀井雄二氏が24年前に言及していた「オンラインRPG」について


<堀井雄二のコンピュータクエスト>

 先日、『堀井雄二のコンピュータクエスト』という本を手に入れた。1988年5月発行という非常に古い本である。その中で堀井氏がオンラインRPGについて言及している箇所がいくつかあったので、読み返してみようと思うのだ。

 hpriidskodjkouo-yskdudrdu.jpg
 ※近所の古本屋で300円でした(笑

 なお、著書の中で堀井氏は“マルチRPG”とか“ネットワークRPG”という言い方をしているが、僕は便宜上「オンラインRPG」という呼び方をするので、ご了承ください。
 


<『ドラクエX』が初めてじゃなかった!?>

 まず「ルーカスが実験中のネットワークシステム」より引用。

 ちなみに、日本でも同じようなプロジェクトがある。
『ドラクエ』の世界のようなものをネット上で構築し、
同時に何人でも遊べるマルチRPGといわれるものである。
その企画が去年スタートし、そのシステムもすでにかなり進行している。
実現にあたり一番問題だった資金づくりについても、某大企業が、
スポンサーになってもいいよ、という話がでてきているのだ。
 うまくいけばここ1~2年のうちにスタートできるかもしれない。
じつは、ボク自身もこのプロジェクトに参加している。
いまは、乞うご期待とだけいっておこう。


 なんと、彼はオンラインRPGについて言及しているどころか、そのような企画に参加しているというではないか。ってとこは『ドラクエX』が初めてじゃないのかもしれない。

 ※ちなみにルーカスが実験中のネットワークシステムとは『ハビタット』と呼ばれるもので、1986年、ルーカスフィルム・ゲームズ社が(実験的ではあったが)サービスを開始したネットワークゲーム。どっちかというとアメーバピグのような、アバターサービスだったとか。詳しくはこちら参照。



<プレイ時間によるレベルの格差問題について>

 次は「レベルをあげるだけがRPGじゃない!」より引用。

 先に述べたネットワークRPGであるが、
それが実現すると、たとえばドラクエのような世界があって、
町に入るといろんな人がいる。そして、それらの人たちは、
もはやコンピュータ側のきまりきった台詞しかいわない人たちではなく、
実際に電話回線を使ってやってきている本物の人間になるのだ。
(中略)
 もし、そこにレベルアップが存在すると、あとからやってきた人は、
いつまでたっても、先にその世界にきている人たちにかなわない
ということになってしまう。これでは不公平だ。

そんなわけで、今のようなメキメキと強くなるという
レベルアップ制度はとれないかもしれない。


 ここではオンラインPRGの課題の1つとされる、プレイ時間によるレベルの格差問題について言及していた。そんなに前から考えていたなら、きっと彼の頭の中にはステキな解決方法が浮かんでいるに違いない(笑



<まさしくRPGである>

 次も「レベルをあげるだけじがRPGじゃない!」より引用。

 ひとつの世界のなかに、
いろんな人たちが実際に電話回線を使って入ってきて、
そこで生活をはじめるわけである。
現実とはちがった、もうひとつの奇妙な世界がネット上に展開されてゆく。
昼間、会社ではうだつのあがらないサラリーマンだけど、
夜、ネットワークRPGの世界に入れば、
そこではみんなから尊敬される勇敢な戦士だったり……。
 まさしくRPGである。


 堀井氏のこの言葉は“キャラクターの役割を演じるゲーム”というRPG本来の意味からのものだと思う。当時は夢のような話だったであろう。



<本人にしてみれば、やっとオンライン!?>

 この本は1988年5月発行となっているが「あとがき」を読んでみたら、書き上げたのは昭和62年(1987年)だというじゃないか。ってことは、これらの発言は今から24年前のものだったのだ。

 『ドラクエ3』がやっと完成したとも書いてあったので、あとは無事に発売されるのを待っていた(もちろん、ただ待っていただけじゃないと思うが)時期だったであろう。今ではドラクエシリーズのナンバリングも10を数える。

 そう考えると、世の中「なんでオンライン?」という意見が多いようだが、本人にしてみれば「やっとオンライン!」なのかもしれない・・・・・・

関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加  
[ 2011/10/08 20:38 ] ファミコントリビア | コメント(8)
 ブログパーツ
それくらいの年代だとまずハビタットを思い出した
1122. [ 2011/10/10 02:40 ] [ 編集 ]
この話を聞くとBSドラゴンクエストは
彼の希望通りの作品にならなかったが・・・
のちにレボリューション(wii)の発表動画には
やっとWiFiが導入されると純粋に喜ぶ姿が見れるので
思想としてはかなり思い入れがあるのだろう。
1123. [ 2011/10/10 13:37 ] [ 編集 ]
こんなに昔の本なのに着眼点が良いですな。
こういうのを見ると自分の想像力というか、発想が乏しいと感じちゃうなあ。
1124. [ 2011/10/10 14:29 ] [ 編集 ]
ネットワークRPG自体はさらに10年くらい前からあったかな?
あこがれてたんでしょうねえ。
1125. [ 2011/10/12 21:02 ] [ 編集 ]
DQ1のころから考えてたんじゃね?
「どらくえは ねとげになつて つまらない あうと」
1126. [ 2011/10/13 03:01 ] [ 編集 ]
>>1126

知らないひと多いんだな

ドラクエ復活の呪文の解析・作成ツール
ttp://famicoroti.blog81.fc2.com/blog-entry-387.html
1127. [ 2011/10/13 11:37 ] [ 編集 ]
ドラクエのような冒険ゲームを手っ取り早く「RPG」と名づけた罪は大きいと思う 誰だかは知らないが
本来のRPGの意味からすれば、FF12のような「『プレイヤーの分身』が物語の主人公ではない」、というのも何の違和感もないんだが
1129. [ 2011/10/15 20:57 ] [ 編集 ]
>>1129
その通り、さらに言えば
>“キャラクターの役割を演じるゲーム”というRPG本来の意味
この微妙な誤訳が常識として蔓延してるのが困る。
そういう意味では堀井なんかは1級戦犯だよな
1542. [ 2012/10/12 00:11 ] [ 編集 ]
 コメントの投稿










管理者にだけ表示を許可する
 

プロフィール
管理人:オロチ
Twitter:oroti_famicom

取材,執筆,コレクション貸出などの依頼はこちらまでお気軽にお問い合わせ下さい。


情報提供窓口

月別アーカイブ
過去の記事
(ランダム表示)
Powered by 複眼RSS
お知らせ
オロチの小説
カクヨムにて公開中!
QRコード
QR