【情報募集】ファミコンパッケージ「ABC」シールの謎を追え!!【随時更新】


 ファミコンのパッケージを眺めていると、ごく稀に「A」とか「B」とかいう謎のシールが貼ってあることがあります。このシールは一体、何を意味しているのでしょうか……

nazonosi-ru4.jpg

 ツイッター上を中心に調査を進めて参りましたが、ここらでひとまず経過をまとめてみましょう。



<まずは側面をチェック!!>

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 シールが貼られているのは、今のところパッケージの側面のみであり、側面でもタテとヨコ、両方のパターンがある。パッケージの表・裏、またはカセットの表・裏や説明書などには貼られていない。

 また、ディスクには見つかっていない。



<シールの特徴と種類>

 極めて西洋的なバロック風の装飾が、トランプとの関連性を想起させるが、他の任天堂製品にこのようなシールは見つかっておらず、また、同時代の他社製品にも見つかっていない。

 以下、種類である。


1.「ゴールド・ビッグA」
nazonosi-bigaa.jpgnazonosi-biga2.jpg


2.「シルバーA」
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3.「ゴールドB」
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4.「シルバーB」
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5.「シルバーB(リーフ)」
nazonosi-kusab.jpgnazonosi-kusabb.jpg


6.「シルバーC」
nazonosi-c.jpgb-wing.jpg

 確認されているのは以上6種類。アルファベットとしては「A」「B」「C」のみである。「D」を目撃したという証言もあったが、もしかしたら「C」を反対から見ていたかも、とのこと。

 なお、シルバー・ビッグAやゴールドAは存在しないと思われる(後述)。また、Bにはリーフバージョンがある模様。他にも亜種があるかもしれない。



<遭遇率と地域の関連性>

 現在、画像付きで見つかっているのは13本。私を含め、調査していただいた方など全体でおよそ6,7000本はチェックしていると思われるので、その割合は現在「461~538本に1本」ぐらいである。確率にすると以下。

 遭遇率 0.185~0.216% 


 この確率が低いのかどうか数字からはよくわからないが、体感としては非常に低い

 ただし、それにしては私オロチの遭遇率が高く、所有する箱説およそ1000本のうち5本見つかっていることから、東海地方に偏っているのではないかという説もある。中古品の場合、そこで買ったからといってその地域へ卸された品とは限らないことを考慮しても、調査する際は、どこで入手したか、留意するに越したことはないだろう。

 また、遭遇率からもある程度のことは推測できるので、何本調査した中の何本だったのか(0本でも)というデータも知っておきたいところである。
 


<タイトル・発売日との関連性>

 次にシールが貼られていたソフトを並べてみよう。

『ドンキーコングJr』(1983/7/15) B
『テニス』(1984/1/14) ビッグA
『ピンボール』(1984/2/2) ビッグA
『ロードランナー(小箱)』(1984/7/31) ビッグA 
『忍者くん 魔城の冒険』(1985/5/10) B
『ディグダグ』(1985/6/4) B
『スパルタンX』(1985/6/21) A
『ドルアーガの塔』(1985/8/6) A
『アストロロボ・ササ』(1985/8/9) A
『ハイパースポーツ』(1985/9/27) B(リーフ)
『キン肉マン』(1985/11/8) B(リーフ)
『ソンソン』(1986/2/8) 
『B-WING』(1986/6/3) 


 発売日に注目すると1983~86年という初期に集中していることがわかる。つまりこのシールは初期のファミコンソフトにしか貼られていない可能性が高い。

 また、その中でも83年、84年のみゴールドシールである点は見逃せない。おそらくその時期にシールの下地色をゴールドからシルバーへ切り変え、同時にビッグを廃止したものと思われる。したがってこの時期はゴールド・ビックAが唯一の「A」だったため、シルバー・ビッグAやゴールドAは存在しない可能性が高い。

nazonosi-bigaa.jpg  nazonosi-aa.jpg
 ※シルバーAのリーフ部分は、なぜか印刷が潰れている

nazonosi-bigaa.jpg  nazonosi-aa.jpg
 ※Bのリーフバージョンは後期デザインかも……


 今のところ、B以下にビッグが存在しないことから、もともと「A」と「B」は明確に区別する必要があったと推察してみても面白い。また、「C」がいずれも86年であることから、もともと「A」と「B」しかなく、なんらかの理由によって「C」を追加したという推測もできるだろう。



<タイトルとの相関性の破れ>
 追記:2018/4/5

 同一タイトルには同一アルファベット。今まで無条件にそう思い込んでいたが……

dorua--gaab.jpg

 なんと、『ドルアーガの塔』の「B(リーフ)」を発見したという報告により、タイトルとアルファベットの相関性が破れてしまったのだ。そうなるとアルファベットはタイトルではなく発売時期に相関している可能性が浮上する。なぜなら『ドルアーガの塔』は何度か再販しているのである。

 改めて前段の表を見ると、85年の6月中旬~8月中旬までは「シルバーA」、それ以降が「B(リーフ)」と、綺麗に分かれているのは偶然とは思えなくなってきた。当時、ROMの製造には少なくとも2,3ヶ月かかっていたことからドルアーガが発売され、その売れ行きの良さからすぐに再発注をかけたとしたら、辻褄が合う。したがって初販版が「A」で再販版が「B(リーフ)」とみて間違いないだろう。

 この事実は今後の検証に、大きな影響を及ぼすと思われる。



<メーカーとの関連性>

 続いて現在、メーカーと見つかっている本数の一覧。

 任天堂 ×4
 ナムコ ×2
 ハドソン ×1
 コナミ ×1
 カプコン ×1
 ジャレコ ×1
 バンダイ ×1
 DECO ×1
 アスキー ×1


 任天堂の数が多いのは単純に考えて、初期には任天堂ソフトが多かったからであろう。メーカーに偏りがないかどうかは、まだ結論が出ていない。

 以下、確認されてないメーカーである。

<1985年参入>
 タイトー、dB-SOFT、アイレム、SETA、サンソフト、ポニーキャニオン、東芝EMI、エニックス、ソフトプロ、ケムコ、徳間書店、スクウェア

<1986年参入>
 ニチブツ、東京書籍、東映動画、ビクター音楽産業、SNK、テクモ、河田、ビック東海、VAP、タカラ、ユース、トーワチキ、CBSソニー
 ※漏れがあった場合はご指摘ください

 87年以降に参入したメーカーについてはシール自体が発見されていないため、除外している。なお、少なくともアイレムでは「そのようなシールを貼って出荷してなかった」らしい(関係者証言)。



<仮説一覧>

 以下、寄せられた様々な仮説である。

レーティング説
 レーティングとは年齢制限のこと。現在はCEROという組織が有名で、「A」や「B」などのアルファベットで識別しているところが同じである。ファミコンの時代にCEROは存在しないのだが、別のレーティング制度があった可能性は否定できない。

問屋のマーク説
 卸問屋の何らかのマークではないかという説。新品ソフトの場合、カートンダンボールに入っている状態で流通するが、ふたを開けた状態だと側面(タテ)が上に向いているので、そこへペタペタとシールを貼ったのではという意見があった。あるいは、中古ソフトの仲買業者の判別シールではないかという証言もある

パチンコ景品説
 80年代のパチンコの景品がどういうシステムだったのか詳しくないが、もしかしたら「A」とか「B」という表示をしていたのかもしれない(東海地方のパチ屋がそうだった?)。また、パチンコに限らず、たとえば射的やくじ引きなど屋台の景品だったかもしれないという情報もあった。

ゲームショップのシール説
 私オロチはゲームショップシール蒐集家でもあるが、似たようなシールは見たことがない。また、そもそもゲームショップがファミコンのカセットの裏にシールを貼った理由は落書きや名前を隠すためであり、ついでに店の宣伝もしたのが始まりだと言われているので、パッケージにアルファベットだけ貼るという行為に、意味があるとしたら、検品証代わりだったのかもしれない。

交換店のランク説
 かつて、ファミコンソフトを他のソフトと交換してくれるお店が存在した。「A」や「B」のシールはそのとき目安となる交換レートだったのではないかという説である。ただ、交換店は日本全国に無数にあったと考えられるので、他の種類の「A」「B」が出てきてもおかしくないが、まだ発見されていない。

 いずれの説にしても、確証がないのが現状だ。



<情報・サンプル画像募集!!>

 調査経過は以上です。ということで、引き続き情報を募集します。

 知ってるよ!
 むしろ俺が貼ってたよ!
 って方がいたら是非@oroti_famicomまでご連絡を。


 もしくは、こちらの窓口までご連絡いただけたら幸いです。

 また、サンプル画像も募集中。謎を解明するために圧倒的に足りないのがサンプル数です。協力してもいいよって方、シールを見つけた際には、画像とともにゲーム名、入手場所、調査した本数(遭遇率)を添えていただけると助かります。

 どうぞ、よろしくお願いします!


<諸注意>
※お店で見つけたときは、店員さんへ撮影の許可をとり(特に禁止でない場合もなるべく)、他のお客様の迷惑にならないようご協力お願いします。
※頂いたサンプルデータは随時、本データへ反映させていきます。その際、以下のUP!!コーナーへ詳細を追記していきますので、ご了承ください。
※シール画像のない情報は「参考情報」とさせて頂きます。



<みんなの目撃情報UP!!

b-wing.jpg
・『B-WING』(1986/6/3/DECO) シルバーC
 場所:不明 遭遇率:1/983本中1本  (zationさん)

astrochop01.jpg
・アストロロボ・ササ(1985/8/9/アスキー) シルバーA
・チョップリフター(1986/6/26/ジャレコ) シルバーA(剥がした)
 場所:不明 遭遇率:3-4/1000 (過去の目撃含む) (モグモグさん)

dorua-gaB.jpg
・ドルアーガの塔(再販版)(1985/8/6以降) B(リーフ)
 場所:東京 遭遇率:- (BAD君さん)



orotima-ku1.pngありがとうございます!!

「どこからレトロゲーム?」なんて疑問に思ったことがないという話 他


<ニュース>
ゲームクリアで文章を開封できる「MESSAGIS(メセジス)」配信
 最初の1回だけ面白いやつだ

テレビに接続して大画面で遊べるゲームボーイ風コンソール「RetroStone」
 >ゲーム配信ソフトウェア「RetroPie」からゲームを持ってくる仕組みらしいけど、そもそもRetroPieが何なのかわからない。エミュレータの一種?だとしたらソフトはどこから?


<企画>
【サターン】次世代ハード戦争にSwitchの成功 「平成のゲーム機送別会」やってみた【プレステ】
 スーファミがいっさい語られないとか極端すぎるもののSEGA成分が多いのは仕方ないとして、FF成分も多いな(笑)PCエンジンCD-ROM2(シーディーロムロム)わざわざバラ売りにしてCDプレイヤー以外は税金かからないようにしてたって話は知らなかった。パチスロ「北斗の拳」100万本は当時もみんなびびってたよ。ゲーム会社の営業やってたときだった。あの空気感を知ってるからすごい共感した(笑)


<書籍>
・3月16日発売「CONTINUE Vol.52」はプレステの時代特集!!
CONTINUE Vol.52
『CONTINUE』復活、第二弾!! 今回は、初代プレイステーションが創り上げた時代(1994年~2000年まで)を59本(! )のゲームレビューをベースに振り返る!! さらに、PSでデビューを飾ったゲームクリエイターにもインタビューを敢行!! これまで明かされなかった秘話の数々を初公開します!!

【第1特集】プレイステーションの時代 1994-2000(全66ページ)
初代プレイステーションゲームレビュー(59本)
証言プレイステーションの時代。01・飯田和敏
「当時所属していた会社に謎の開発機会があったんですよね。その装置が『プレイステーション』と呼ばれていました」
「反復性や単調さがやがて瞑想的な感覚になっていくようなゲームを作りたかった。というか遊びたかったんです」
証言プレイステーションの時代。02・森川幸人
「誰ひとりゲームを作ったことがなかったのに、みんな『つくる! 』って言ってるから、みんな大丈夫かなって(笑)」
「従来のゲーム文化にハマりなさいって一回も言われたことがない。だから、初期ってアイディアマンばっかりだったんだよね」
特別取材『どこでもいっしょ』はいまでもいっしょ
南治一徳ロングインタビュー
「ループさせてダラダラ続けるよりはバシッと最終回が来たほうが記憶に残るから、そっちを狙っていこう、と」
「自分も遊んでみて『これは泣いちゃうなあ……』って思っていました」
【第2特集】祝15周年!!ゲームセンターCX(全20ページ)

【ロングインタビュー】
プレイステーションの時代を創った男
山元哲治ロングインタビュー
「僕が30分くらい説明すると、丸山さんが『あー、そうか』『うーん』とか言うんだけど、最後に『ああ……わかんないや』って(笑)。でも、『わかんないからさ、やってみてよ』って」
「俺だけかもしれないけど、PSは失敗する気がしなかったんだよね」
「目の前で億単位の予算がプロジェクトに承認されていく、いまとなっては夢のような光景でした」

【連載】アーリーゲームコミック列伝
第53回:少年誌のファミコンワールド! (チャンピオン編)
【連載】人となり 第2回ゲスト:夢眠ねむ(でんぱ組.inc)
【連載】ゲームの彼岸にて(石井ぜんじ)
【連載】KING OF GAMES.
【連載】Steam通信(箭本進一)
……and more!!!!!



<コラム>
・「どこからレトロゲーム?」なんて疑問に思ったことがないという話

2D=レトロゲームだった...? みんなの「レトロゲームの定義」アンケート結果
 これ、自分でも不思議なんだけど、レトロゲーム専門ニュースサイトを運営してるくせにどこからレトロゲーム?なんて疑問に思ったことがないのだ。なんならハードがどうとか、3Dだとか2Dだとか、線引きすること自体、無意味だとすら思ってる。少なくとも僕がファミコンを好きな理由は「レトロゲームだから」じゃないのだろう。もちろんレトロゲームは好きだけど、それはそのゲームが古いからじゃないんだ。なんだか禅問答みたいだね(笑)

 厳密にいうと「レトロゲーム」という言葉にはビミョウな齟齬があるらしいが……

製品の場合のレトロとは現行技術で作られた見た目が古いものの事で、本当に古い骨董とは区別される

 誤用警察案件はとりあえず置いといて、僕が違和感を抱いている理由を述べていこう。それは「自分が今でも毎日ファミコンやってるから」というのがやはり大きい。小学生のときから一度も離れることなく現役バリバリなので懐古もクソもないという単純な論理だ。

 そしてレトロゲームという名前が、最新機種ありきのネーミングという点も指摘しておかなければならない。先に言っておくとこれについては何の不満もない。ただ、レトロゲームという言葉が「新しいもに対する古いもの」というカウンター的ポジションなのが、どうやら、僕みたいな今でも現役でファミコンをやってる人間からしたら理解できないらしいのだ……
 そりゃそうだ。最新機種を見たことも触ったこともないのだから比較しようがない。これが大人になるにつれファミコンから離れた一般人のように、ファミコンが懐かしかったり、全体を俯瞰的に見られる立場にいるならそうでもないのだろう。したがって僕には「レトロゲーム」が何のカウンター的ポジションなのかがわからないため、何を指しているかも、わからないという寸法だ。

 そんな厄介物をわざわざ線引きしようとしてボロを出すくらいだったら、正直、あいまいのままでいいじゃんっていう心理が、僕の中で働いているのかもしれない(笑)

 

orotima-ku1.png現実的なことを言えばクラシックカーみたいに
代表団体みたいなとこが定義するしかない案件ね


『スーパーマリオブラザーズ』に、“無重力”と“物理演算”を導入した「jellymario」が一部で話題 他


<ニュース>
Nintendo Switch1台で対戦できる麻雀ゲームが登場 相手の手牌の隠し方が“ついたて”の力技仕様
 これは新しい!のか……

ゲームボーイやゲームギアのゲームがプレイできる「世界でもっとも小さい」ゲーム機が開発中。ユーザーによるカスタマイズも歓迎
 小ささの意義

『スーパーマリオブラザーズ』に、“無重力”と“物理演算”を導入した「jellymario」が一部で話題。名作がたちまち奇作に
 開始1秒で笑った(笑) 

おわかりいただけただろうか……? ファミコン解像度のスクショを並べた4Kモニターの動画に潜む“例の存在”に気づけるか
 古きよきホームページの壁紙感

<見逃しクン>
クレーンゲームも!世界初のシャネルのゲームセンターが原宿に登場【潜入レポ】
 ディテールがすごい。シャネルさん、本気だ。


<ガジェット>
手遊びを電力に!スマホを充電できるゲームコントローラー風フィジェット「Fidget Power」

<オークション>
レトロゲーム RX-78(パソコン) PERSONAL COMPUTER GUNDAM 稼働品 ソフト4本、ジョイスティックコントローラー付
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 出たー。僕のトラウマ。もういや。

[レコード][LP]FAMICOM GRAND PRIX2 3D HOT RALLY ファミコングランプリ2 3D ホットラリー
3dhottorari-lp.jpg
 CD版のほうは持ってるので鼻血が出そうになったが、LP版のほうかあ。CD版よりもさらにレアという。


<レトロPC>
PC-8001やFM-7、MZ-80C……懐かしのパソコンがミニサイズで現代に甦る!ハル研究所が発表した「PasocomMini」の詳細と狙い


<コレクター>
海外のニンテンドースイッチコレクター究極のコレクション(英文)
 現行は強い。


<ゲーム論>
ビデオゲームの議論における「ゲーム性」という言葉をめぐって -雑誌『ゲーム批評』を中心にその使われ方の状況を探る-
 あとで読む



orotima-ku1.png休日を利用して、滞っていた
ファミコン雑誌の整理とリスト化
作業を始めるも、1時間で挫折……


UFOキャッチャーぬいぐるみ「非売品」の謎 秘められた運命のドラマ


 下の息子(5才)は、親戚がUFOキャッチャーで取ってきた「あらいぐまラスカル」のぬいぐるみが大のお気に入り。ミヤモトという名前をつけて大層かわいがっており、毎日のように人形遊びをしているのだ。

 私もたまにミヤモト役をやらされることがあるのだが、そんなとき、ふと疑問に思うことがある。それは「なぜ、あらいぐまがミヤモトという名前なのか」ということだ、というのは冗談で(笑)、なぜ景品のぬいぐるみは「非売品」なのかということである。一見、不思議でも何でもないことでも、調べてみたら意外なドラマに出会えるものだ。

 今からその謎を紐解いていこう……



<UFOキャッチャー誕生>

 クレーンゲーム自体の歴史は古い。しかしそれらは長らくゲーセンの奥にひっそりたたずむ地味な存在であった。そんなクレーンゲーム界に革命を起こしたのがSEGAの「UFOキャッチャー」である。

DDDEr3FUAAA_75r.jpg

 『UFOキャッチャー』がこの世に生まれる前、1970年代のクレーンゲーム機は、店の奥にこじんまりと置いてあり、中に入っている景品も、タバコやライター、更には下着(!)などでした。クレーンゲーム機は主に下を覗き込むタイプのもの。そこでセガは、“女性やお子さまが遊びやすい機械をつくろう!”“お店の入口に置いてもらえるようにしよう!"と開発。初代『UFOキャッチャー』(1985年)の誕生です。ピンク色でショーウインドウをイメージし、目線に景品がくる縦型にしました。
引用:セガ公式アカウント@SEGA_OFFICIAL


 SEGAは主に女性をターゲットに設定。景品を目線の高さにすることで、ウインドウショッピングを楽しむようにクレーンゲームを楽しんでもらおうと考えたのだ。さらに今までキャンディやラムネといった些末なものだった景品を“あるもの”に変えたことが最大のレボリューションとなったのは、皆さんもご存知の通り。

 そう、ぬいぐるみである。



<ぬいぐるみの自動販売機>

 きっかけは中山社長(当時)のアメリカ視察だった。アメリカのクレーンゲームはガラス張りで、ファンシーなぬいぐるみたちが並べらているではないか。彼は帰国後「アメリカには夢があった」と小形専務(当時)へ熱く語ったという。

 そこで、中山は「ぬいぐるみの自動販売機」をコンセプトに、新たな戦略を立てることにした。

 まず、景品をぬいぐるみにする。さらに漫画やアニメなど有名作品のキャラクター商品にして、定期的に作品を入れ替えることで顧客を飽きさせなくする。次に、七福神は7人いないと意味がないという独自の理論に基づき、バリエーション戦略を考案。同じ作品の中でも様々なキャラクタ・バリエーション、あるいは同じキャラクタでも様々なポーズ・バリエーションを提供することで、顧客のコレクション欲望へ訴求するのである。




 しかし、結果的に言うとこの計画は失敗だった……

 もっと正確に言うと実行すらされなかったのだ。なぜなら当時の景品法によって市価200円以下のものしか景品にできなかったからである。(※2018年現在は800円以下)

 ということは原価はそれよりも下回っていなければならず、当時のぬいぐるみ事情を考えると、どうしても実現できなかったのだった。したがって、UFOキャッチャー登場時の景品は、あいかわらず安価で仕入れることのできる駄菓子やカプセルトイが中心であり、即、クレーンゲームを人気機種に押し上げたという事実はなかったということだけは、指摘しておかなければなるまい。



<韓国でつかんだ好機>
 
 1988年に転機が訪れた――

 韓国へ出張中だった小形が、ソウル市内で大量のぬいぐるみをリヤカーに乗せて売っている婦人を見かけたのだ。それは小ぶりでUFOキャッチャーの景品にちょうどよいサイズに思えた。淡い期待をこめて値段を聞くと「1体500ウォンです」と返って来た。小形は「500円もするのか、そうだよな……」と落胆してホテルへ帰ったという。

 彼が勘違いに気付いたのは翌朝のことだった――
 当時のレートで1ウォンは約20銭だったのだ。ということは、ぬいぐるみ1体100円である。さっそく小形は、今度は通訳を連れてリヤカーのご婦人のもとへ足を運んだ。なんとかして、ぬいぐるみの仕入れ先を聞き出すためである。しかし彼女は頑として答えなかった。

クレーンゲームの教科書<完全版>: クレーンゲーム攻略法 (JS出版)


 さらに翌日は帰国予定日だった――
 どうしてもあきらめきれなかった小形は、飛行機に乗る前に再び、婦人の元へ馳せ参じるや否や、開口一番こう言ったという。おばちゃん、これ、全部買うから、どうか、仕入れ先を教えてくれないか?


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 数時間後――
 小形はご婦人から聞き出したぬいぐるみの生産工場へ向かっていた。飛行機はキャンセルだ。ひとまず確保したリヤカーいっぱいのぬいぐるみは国際便で本社へ送り、AM施設担当者にはそれでロケテストするように命じておいた。
 工場へ到着し、中へ案内されると、40名ほどの若い女工たちが一心不乱にミシンを操作し、ぬいぐるみを縫いつけている光景が目に飛び込んで来た。彼はさぞかし身震いしたに違いない。さっそく工場責任者と交渉を開始。結果として1体80円で工場の在庫をすべて買い付けることに成功したのだった。

 帰国後、ロケテストの結果を聞いた小形は「通常の4倍を売り上げた」という予想をはるかに上回る成果に驚くことになる。



<そして大成功へ>

 セガはぬいぐるみをゲームセンターへ直接販売するスタイルをとった。仲介業者をはさむことで市価が200円を越えるてしまうことを危惧したためである。また、このとき、景品はあえて市販しないことに決めたという。
 UFOキャッチャーのぬいぐるみが「非売品」なのは生まれつきだったのである。そこには「ここでしか手に入らない」というプレミアム感を演出する狙いと、もうひとつ、景品法への配慮もあったのだろう。

 やがて1990年にはSEGAブランド独自のぬいぐるみを生産することとなり、そのときも例の韓国の工場と契約をしたというから律儀な会社である。ちょうどこの頃、景品市価の上限が500円へ引き上げられるという追い風まで吹いていた。
 また、トイ事業部経由で、アンパンマンのキャラクタを景品化する権利を獲得。いよいよ当初、中山が思い描いていたキャラクター作戦に乗り出したSEGAの「UFOキャッチャー」は連日、黒山の人だかりができるほどの大盛況だったという。

アンパンマン NEWわくわくクレーンゲーム

 そして1991年――
 満を持して登場したのが「NEW UFOキャッチャー」だ。

 同機種が日本全国のゲームセンターへ爆発的に普及し、クレーンゲーム史上でも異例の大ヒットとなったのは言うまでもない。データによると、SEGAは1992年までにUFOキャッチャーのぬいぐるみの景品だけで、売り上げ300億円を達成しており、なんとこの数字は、一般ぬいぐるみの総売り上げを大きく上回ってしまったほどであった。1990年代のSEGAは、何気に「ぬいぐるみバブル」に沸いていたのである。


 hebi0.gif


 ゲームセンターにクレーンゲームが立ち並ぶ光景は今では当たり前となっている。なんならゲームセンターの花形といっても過言ではないだろう。そんなクレーンゲームの代表格である「UFOキャッチャー」のぬいぐるみに刻まれた「非売品」マークの背景には、実は、このような運命的な物語が秘められていたのだ。

 そのような歴史にこそ付加価値があるのではないか、なんて思いつつ、今日も私はミヤモト役をやらされるのであった。



orotima-ku1.pngミヤ、ミヤ!



参考サイト:クレーンゲームの歴史
参考サイト:セガ公式ツイッター
参考文献:ゲーム戦争(1996/大下英治/光文社)

クイズ!! 3大間違いやすいゲーム機の表記


 昔からずっと気になっていたことを告白しよう。

 某ゲーム屋さんのWebサイトのカテゴリ欄のゲーム機の名前に、どうしても看過できない表記が3つあるのだ。かといって晒しあげるようなマネはしたくないので、そこから抜き出したテキストから、クイズを出題しようじゃないか。

kuizuge-mu0.jpg


<問題>
 以下の一覧から、私オロチがどうしても看過できないゲーム機の表記は何でしょう?
 該当するものを3つ選んでね。

  1. ニンテンドースイッチ
  2. Wii U
  3. Wii
  4. PS4
  5. PS3
  6. Xbox One
  7. Xbox360
  8. プレイステーション2
  9. プレイステーション
  10. Xbox
  11. ニンテンドー ゲームキューブ
  12. ファミリーコンピューター
  13. スーパーファミコン
  14. ニンテンドー64
  15. セガSG1000
  16. セガマーク3&マスターシステム
  17. メガドライブ
  18. セガサターン
  19. ドリームキャスト
  20. ピコ
  21. ビーナ
  22. PCエンジン
  23. PC-FX
  24. ATARI2600
  25. ATARI2800
  26. JAGUAR
  27. アルカディア
  28. インテレビジョン
  29. 光速船
  30. プレイディア
  31. ネオジオ(ROM)
  32. ネオジオ(CD)
  33. 3DO
  34. カセットビジョン
  35. スーパーカセットビジョン
  36. ぴゅう太
  37. 体感ゲーム
  38. その他ハード
  39. ゲームボーイアドバンス
  40. ゲームボーイ
  41. バーチャルボーイ
  42. ゲームギア
  43. リンクス(Lynx)
  44. ワンダースワン
  45. ネオジオ(ポケット)
  46. ゲーム&ウォッチ
  47. LSI
  48. 携帯ゲーム
  49. PS VITA
  50. PSP
  51. ニンテンドー3DS
  52. ニンテンドーDS
  53. その他ポータブルゲーム
  54. アーケードゲーム基板
  55. レトロゲーム
  56. バイオレンスゲーム
 ※便宜的にふったナンバーに順番以外の意味はありません

 ▼

 ▼

 ▼

 それでは答え合わせと行こう。

 ▼

 ▼

 ▼

<答え合わせ>

 1つ目の答えはNo.12「ファミリーコンピューター」だ。

 正しくはファミリーコンピュータである。最後を伸ばさないことは本体箱の表記を見れば一目瞭然だ。また、カセット裏などに記載されていた“有名な一文”を見ても、任天堂が必死に訴えていた商標が「ファミリーコンピュータ(伸ばさない)」であったことがわかるだろう……


famirikonyoputa-nintneoshohodeds.jpg

 この、伸ばす・伸ばさない問題については私がまだギラギラしていた頃に書いたこちらの記事で熱く語ってる(笑)


 つづいて2つ目の答えはNo.14「ニンテンドー64」だ。

 正しくはニンテンドウ64である。「ニンテンドー」ではなく「ニンテンドウ」と表記するのは、最後の「ー(長音)」が「‐(ハイフン)」に間違えられないよう配慮したためと言われているが(海外のひとが会社名と混同しないように説もある)、それ以降ニンテンドーDS、ニンテンドースイッチなど任天堂は自前ハードを「ニンテンドー(長音)」表記に切り替えているので、本当のところはわからない……



 まあ、理由はともかく、本体箱を見てもわかる通り、64の正式カタカナ表記が「ニンテンドウ64」であることは間違いない事実。だったら、そのまま書けばいいじゃない。


 最後、3つ目の答えはNo.46「ゲーム&ウォッチ」だ。

 正しくはゲーム&ウオッチである。「ウオッチ」の表記が小さい「ォ」ではなく、大きい「オ」であることは、それほど知られてないのかヤフオクですら普通に間違えている始末である。当時からセイコーやシチズンなど大手時計会社が、軒並み「ウオッチ」表記だったことを考えると、何ら不思議なことでもないのだが……



 ついでにいうとカメラなどで有名な会社キヤノンも大きい「ヤ」だし、マヨネーズでお馴染みのキユーピーも会社名は大きい「ユ」である。


 ということで、クイズは以上。

 結果的に、これらは「3大間違いやすいゲーム機の表記」なんじゃないかという教訓が得られたわけだが、こうした些細な部分こそサラッとこなして行きたいものだと、自戒を込めて思った次第である。



orotima-ku1.pngなにげない「ー(長音)」が
ファミコン師匠を傷つけた




 引用元サイト:新品/中古ゲーム販売 通販ショップの駿河屋
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はじめに




管理人:オロチ


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